元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

月の終わり、始まり

2011-04-01 | 仕事について

月が終わると1ヶ月の売上や仕入れ額を計算して、店にいくらお金が残るか集計します。
電卓をたたきながら自分の仕事で生活させてくれる世間様に対して有り難みを感じます。

利益というのは、ただ売上が良くても、仕入れが多ければ残りませんので、毎日の売上と仕入れのバランスには気にしていますが、月末に集計してその結果で良ければ静かに喜んだり、悪ければ来月がんばろうと思います。

悪い月にあまり気に病まないこと。先の売上の心配をしないこと。
それが健全な精神状態で自営業を続けるコツなのかもしれないと思っています。

今月売り上げが良くても、来月はこんなに上手くいくだろうか、そしてこの心配が一生続くのだろうかと考えるととてもしんどくなってしまいます。

毎月、毎日、訪れた日にベストを尽くす。
その積み重ねがひと月だったり、1年だったりだと考えるようにしようと思っています。

もちろん将来の展望、目標、夢は必要で、それに向かって店は進んでいくべきですが、その場合の売上について考える感覚は少し違う記録としての金額で、自分の生活と切り離されたものです。

会社を長く続けるコツを知っている人なんて多分いないでしょうし、業績が絶対に悪くならない方法を知っている人なんていない。

店を始める前、それを知っている人がいると思っていましたし、何か正解があるのかと思っていました。
でも本当は正解などなくて、やり方はそれぞれ何通りもあって、大切にしないといけないないことは自分らしくすることだと知ったのは最近のことでした。

だから気に病まないようにすぐに気分を入れ替える。
そんなふうにいつまでも続いていけることをいつも考えています。

私のように毎月の会社の業績に喜んだり、頭を抱えたりしていた事業主の人が被災地にもたくさんいるのだと思います。
今まで積重ねてきた努力がゼロの状態に戻されてしまったと絶望されている方もおられると思います。

でも会社というのは、信用の積み重ねて、それが少しずつ売上に代わっていくものだと思います。
人と人との繋がりである信用は物が壊れても残っていますので、何とか再起してもらいたいと強く願っています。