元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

移ろいゆくモノ

2014-09-07 | 仕事について

普段東京でなくても商売はできると思っていますし、憧れも抱いていないけれど、1年以上訪れていないと気になってきます。

仕事をするようになって、東京は私にとってたまに訪れて、何らかの刺激を受けて帰ってくる場所でした。

夏休みを利用して、久し振りに東京を訪ねてきました。

遠く離れた神戸にも情報はだけは入ってきますので、気になる、見ておきたいお店はありました。

そういうお店を見て、お手本にするのではなく、そういった新しい動き、強い力や時流に対して、自分はどのような方針をとって、どの方向に進んだらいいのかを考えることに意味があるし、だからこそ仕事は楽しいと思える。

少し前から肌で感じていることだし、雑誌などでもよく特集が組まれているので、そうなのだと思いますが、文房具が地味でマニアックな存在から、少し華やかな、より多くの人が目を向けるものになっている。

あまり言いたくない、認めたくないことだけど、何かブームのような感じになっています。

今ブームだと言われているものの中でも、変わらないものをつかんだところは残っていくだろうし、でもほとんどが消えていくのかもしれません。

今まで文房具、万年筆など、自分の身の周りにブームが訪れたことがありましたが、それらを前にした時、直感が警告音を鳴らしていて、それに従ってきました。

その直感が正しいのか、ただ単に天邪鬼な性格なのか、分らないけれど、自分の人生のほぼ全てである仕事がブームの中にあるとか、ブームが過ぎ去ったとか言われたくないし、そんな軽いものであって欲しくないと思っています。

毎回、自分の得ている情報の中で旬だと思える場所を毎回訪れています。

行くたびに旬な場所は、それを担当するいくつかの場所の間でキャッチボールされていて、流行に敏感な、こだわりのない人がそのたびに行き来しているという印象を受けて、物事の移ろい行くスピードの早さ、厳しさを感じますが、その中で変わらないものを見つけることができたら、それはとても勉強になる。

 本当に良いものとか、良いお店というのは長く続くものだという考えが根底にありますので、自分の店も早く20年でも30年でも、時代の移ろいに関係なく経って欲しいといつも思っています。