妹が発った。
今朝も見送ったけれど、昨晩様子を見に行ったら、大型のスーツケースに倍ほどの荷物が入らないと、悪戦苦闘していた。
父に言われて、詰めなおしたりしていたけれど、入ったのだろうか。
妹が家を出て、海外で仕事をするということに対して、私は負い目を感じている。
海外に行くという極端な決断に至る前に自分にできることはなかったのか。
小さいながらもひとつの会社の経営者であるわけだから、妹にもっと仕事を回すことができたのではないかと、今になって思っている。
当店のデザイン的なこと、ロゴ、インクラベルなどなど、実は妹がやっていて大いに助かっていた。
海外に行ってもメールでのやり取りで、デザインは送ってもらえるので、変わらずやってもらえるけれど。
妹は家を出ないと何も始まらないと思っていて、今回決断してからの行動は本当に早く、決然としたただならぬものを感じた。
妹の少し向こう見ずとも思える決断を止めることがはばかられるような勢いを私も父も感じていた。
でも、10年近く家に居て、妹の人生がこのままここで終わっていくのだろうかと、かなり暗い気持ちで心配していた。
心外だったけれど、働くように口うるさく説教したりしていたけれど、結局本人がそのような意志を持たないと動かないということも、分かりすぎるほど分かっていた。兄妹だから。
何も海外まで行かなくてもと思うけれど、妹にしたら家を出てら、海外も国内も同じだと思ったのだろうと思うし、それくらい負荷がかかるくらいの方が、がんばれると思った気持ちは兄妹だから、ものすごくよく分かる。
私の負い目と関係なく、スーツケースに入らない荷物を詰め込んでいる時も、送別会は特に必要ないと言った時も、今朝出て行く時も明るく、元気に出て行ったことにはとても救われる想いがした。