元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

伝える力

2011-12-19 | 仕事について

外に出ていろんな人と会ったりすることも少ないし、テレビもあまり見ない方なので、私のインプットのほとんどはお客様をはじめとする皆様からお聞きした話がほとんどになります。

そうやって皆様のお話を伺って思うのは、自分の話す力の拙さです。

皆様の話は、要点がちゃんと伝わってオチがちゃんとあって、聞いていてすごく上手いと思いますし、素晴らしい組み立てだと感心します。

私は「おもしろい話があるんですけど」と最初にハードルを上げてしまうので、聞いてみると、自分でも話してみるとそれほど面白くなかったということが多々あります。

話の上手い人は瞬間瞬間に頭が働いて、話をおもしろく組み立てられるのだろうか?

話す力というのは本当に大事で、その巧みさによって心の強さを表現できるかできないかが、かかっている時があるので、切実な問題になることがあります。

本当は心の強さを比べることは男女間の恋愛レベルに意味のないことだけど、でも話しが上手い人というのは伝えたい、話したいという気持ちが強くて、私にはもしかしたらそれが欠けているのかもしれない。

最近その傾向は少しやわらいできたけれど、誰も自分の話など聞きたいとは思っていないとずっと思っていて、自分のことを話すことが極端に少なかった。

それは子供の頃からで、親にもあまり自分のことを話した記憶がない。

そのまま大人になってしまって、今伝える力が欠如した大人になってしまったけれど、そんな私が書くことが好きだというのは多分辻褄があっていて、自分のことを伝えたいという気持ちは話すことにおいてはないけれど、書くことにおいては大いにあるだろうと思うことがあります。