「有権者をだますわけにいかない」??
言い分コロコロ変わる橋下氏
維新の党を離党し、国政政党「おおさか維新の会」の旗揚げを表明した橋下徹大阪市長。節目節目で発言がコロコロ変わっています。
8月27日、松井一郎大阪府知事とともに維新の党を離党した橋下氏は、「大阪の地方政治にしっかり軸足を移す」と話していました。
ところが、わずか2日後に国政新党の立ち上げを宣言。そして10月1日、正式な新党結成表明となりました。当初は「党を割るような話ではない」とも述べていたものの、新党結成で維新は完全に分裂しました。
5月の住民投票で「大阪都」構想が否決され、橋下氏は「政治家は僕の人生からは終了」と政界引退を明言しました。にもかかわらず、松井氏は「橋下 代表はちょっとの間休憩する」とし、橋下氏も「(引退後の)私人の生活について、国民に約束する話じゃない。自由にやらせてもらいます」(1日)と政界復 帰に含みを持たせています。
さらに、橋下氏らは「一回限り」としていた「都」構想を11月の府知事・大阪市長のダブル選挙で再び公約に掲げると主張しました。
橋下氏は、住民投票の投票日が近づくと「負けたらやめる」と自身の信任投票にしようとした上、「ラストチャンス」と叫び、賛否を迷う市民の焦燥感をあおり続けました。
「都」構想の危険性を訴えてきた、藤井聡京都大学大学院教授は指摘します。「“これが最後なら”と考え、賛成に投じた人が多数いるのは間違いない。それなのに、もう一度公約に掲げるのは、その人々を裏切ったことになる。まさに『ラストチャンス詐欺』だ」
「僕は知事になってから今に至るまで、国民に約束したことはウソをつかずにやってきた」と胸を張る橋下氏。1日の会見でも「有権者をだますわけに はいかない」と強調してみせましたが、「2万パーセントない」といっていた知事選に出馬したのが、橋下氏の政治家としての出発。橋下氏の言動を信用しろと いう方が無理というものです。(笹)