ひびレビ

特撮・アニメの感想や、日々のことを書いてます。
当ブログの記事をコピーした、怪しいサイトにご注意ください。

無敵超人ザンボット3 第22話「ブッチャー最後の日」

2023-05-03 06:54:24 | アニメ・ゲーム
無敵超人ザンボット3 第22話「ブッチャー最後の日」

 次回最終回だからか、いつも以上に絵から魂を感じる……

 バンドックに被害をもたらしたことでガイゾックから自ら前線に立って戦うよう命じられたブッチャーは、ガイゾックの前ということもあってか、普段の尊大な態度はどこへやら。「未だかつてそのようなことは一度も」と怯えていました。
 思い返せばこれまでブッチャーは終始安全圏で作戦の様子を眺めていました。指揮官として前線の様子を確認することもなく、バンドックが姿を見せるのはバリアや水圧、メカブーストによって守られている時。前回いつになく必死だったのは、自分が前線に立って戦うことが嫌でしょうがなかった気持ちの表れだったのかもしれません。同じ指揮官ながらも自ら前線に立ち、ザンボット3と戦い続けたおじいちゃんや神ファミリーとは大きな違いですね。

 そんなブッチャーに与えられた戦力はガイゾックの神を守る死の騎士たち、赤騎士デスカインと青騎士ヘルダイン!いやすげぇカッコいいわ強いわ……牛や馬を模したかのような下半身も魅力的な敵ですね。
 折しも神ファミリーは女性と子供たちを乗せたカプセルを地球に射出している時。勝平の父は妻を守るため、勝平たちの活路を開くべく決死の行動に打って出ます。地上に降り立った勝平の母親も、彼の覚悟を察して身を案じるような発言はせず「後はよろしく頼んだぞ!」に対して「わかったわよ、あんた!」とだけ答えるのが信頼の表れであり、誰も彼もが何かを失う覚悟で戦っていることが伺えます。
 「もう逃がすかぁ!!」と青騎士に突っ込んで終わり……かと思いきや、機体はボロボロ、酸素が漏れだして息も満足に出来ない状態で「行けぇぇぇ!!」と赤騎士に突っ込む父ちゃんが壮絶過ぎて圧倒されました……すげぇよ、父ちゃん……地球を、愛する妻を守るために、大事な子供たちの活路を開くために単身ここまでやってのけるとは……

 睡眠学習の成果によって、戦うことへの恐怖は克服していた勝平たちですが、家族を失う哀しみは克服していないと今回気づかされました。これまでも人間爆弾にされた人々の死を目の当たりにして、涙してましたしね……恐怖の克服によりどんな苦境でも戦えるようになった反面、敵への怒りや大事な人を失う哀しみと共に戦わなければならない宿命も背負ってしまったと……


 さすがのブッチャーもここへ来て覚悟を固めたようですが、最後の嫌がらせとばかりに「お前たちは一体何のためにわしと戦ったのだ!」「一体誰がそんなこと(地球の平和を守る)を頼んだのだ!」「お前の身内の者は戦いの度に次々と死んでいった。地球を守ると言って。だが、どこの、誰が、ありがたがってくれるんだ?誰があそこで感謝している?誰が喜んでくれるんだ!?」と勝平に戦いの意味を問いかけました。
 実際、当初神ファミリーの戦いは人々から疎まれていましたし、確かに国からの支援は得られたものの、神ファミリーの活躍を知らない人々も少なからずいるでしょう。加えて、荒廃した大地で家族を失った悲しみと共に暮らすことを望まない人、「あのままガイゾックに倒されていればこんなに苦しい想いをしなくて済んだ」などと悲観する人もいるかもしれません。感謝されることもあれば、戦いが終わってもなお非難されることもあるかもしれないのも事実かなと。
 一方のブッチャーはガイゾックのために戦い続けていました。ガイゾックから頼まれ、その仕事を完遂すればガイゾックに感謝され、喜ばれる。その点においては神ファミリーとは対照的と言えるでしょう。

 人々から謂れの無い非難を浴びたこともある勝平は「うるせぇ!……ごたごた言うな!地球は俺の生まれて育ったところなんだ!誰にも荒らさせないぞ!」と多少言葉に詰まりながらも、戦う意味を告げていました。神ファミリーの使命だとか、誰かに感謝して欲しいからなどではなく、生まれ故郷を守りたい。ただそれだけの理由。それで十分だと思います。
 ブッチャーとの戦いにこそ勝利したものの、その余韻を味わわせずに散っていったブッチャー。最後の最後まで憎々しい敵でしたね、


 そしてまだ戦いは終わらない。ガイゾックとの最終決戦を控えた次回は最終回「燃える宇宙」。「勝平は父に続いて二人のいとこも失っていく……」と、次回予告で死の宣告がなされた宇宙太と恵子、更に映像では宇宙にいる神ファミリーは勝平以外全滅っぽいんですが……地球の香月たちは大丈夫なんでしょうか……?
コメント