ひびレビ

特撮・アニメの感想や、日々のことを書いてます。
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怪獣使いと少年

2006-11-13 21:39:16 | ウルトラシリーズ
降りしきる豪雨。茂みと泥の中を何かから逃げるように走る少年。彼を背後に迫っていたのは巨大魚怪獣ムルチだった。「助けてくれ、父ちゃん・・助けて」少年の叫びは風雨にかき消される。倒れた少年に近寄る人影が。それは彼の父ではなく、宇宙調査員メイツ星人だった。メイツ星人はムルチを眺めやり、両手で宙に円を書くような動作をすると、光波が放たれ、ムルチは地中に封印された。それは激しい風雨の夜の出来事。

濛々と休むことなく煙が吐き出される工業地帯。あの少年は原っぱでスコップ片手に地面を掘り続けていた。一心不乱に掘り続ける少年を見つめるふたつの視線。1つは老人、もう1つは次郎たち。「あれが宇宙人なのかな?」「子供に化けてるんだって」「超能力使うらしいぜ」「超能力?」彼ら4人はそんな会話をしていた。そこへ自転車に乗った、次郎たちより年上らしき3人組の少年たちが現れた。「お前どっから来たんだよ?」「なんで毎日毎日穴ばっか掘ってんだ?」「仕事の邪魔なんだ、帰ってくれよ」彼らの問いに答えることなく突き放す少年。すると3人組は彼の持ち物を調べようと近くの小屋へと駆け寄る。少年は作業を中断し3人の前に立ちはだかる。だが3人組はむりやり中に押し入った。「えい!やー!」少年が腕を突き出しとそう言い放つと3人組の1人は宙に浮いたまま、身動きが取れなくなった。慌てて逃げ出す残りの2人。少年はただ宙に浮く中学生を見つめていたが、やがてその場を離れる。中学生は解放され慌てて小屋から飛び出し「あいつが宇宙人ならもっとほかに出来るはずだ」と言う。

少年は中学生3人組によって頭から下を地面に埋められ、泥水をかけられていた。「可哀想だよ、ひどいよ!」と次郎。しかし中学生の1人は「宇宙人なんだぞこいつは。お前頭からガリガリ食われても良いのかよ!?」と答え、なおも泥水をかけ続ける。次郎は黙って何も言えなくなってしまう。「こいつを放っとけば今に俺たちがやられるんだぞ」そう言って自転車に乗り、少年を轢こうとする中学生。何も出来ず見ているしかない次郎たち。そこへ現れたのは郷秀樹だった。「どうしてこんな酷いことをするんだ」「こいつ宇宙人なんだよ、だからやっつけてたのさ」郷の問いにそう答える中学生。郷は自分に少年を任せるように言い、彼らを解散させる。穴から少年を助け出す。郷に礼を言い少年は「僕は宇宙人じゃない」と自分の出身地を告げ小屋へと去っていった。しかし郷は少年が何か隠している気がしていた・・・

3人組は次郎から郷の調査報告を聞く。どうやらあの少年はれっきとした日本人だとのこと。だが彼らはそれを聞いてもなお、少年を疑っていた。当の少年は1人で食事の支度をしていた。そこへ3人組が現れ、食事を蹴り飛ばす。泥まみれになったおかゆを椀につぐ少年。そのおかゆすら中学生は足で台無しにする。少年は怒り、涙を流し釜に挿していた棒で中学生を追い払う。だが中学生は去り際に連れてきた犬を少年にけしかける。外から様子を窺う中学生たち。その時中からけしかけたはずの犬が現れ爆発した。慌てて逃げ出す3人組。少年は小屋の2階から外の様子を見ていた。すると1人の托鉢僧が歩いているのが見えた。

「少年の名前は佐久間良・・・」と少年の身の上を郷から聞く伊吹隊長。父を探し、東京へとやってきた良。彼はどれほど父を憎み慕ったことだろう。同じ父を亡くした郷だが、彼にはMATという家族があり、隊長という父がいた。「良少年はあの廃墟の中に父親に似た愛のぬくもりを発見したのではないだろうか。もしその父が宇宙人で、そのために良くんが宇宙人呼ばわりされ、乱暴され、情愛の絆を絶たねばならないとしたら、それは絶対に許されん。日本人は美しい花を作る手を持ちながら、一旦その手に刃を握ると、どんな残忍極まりない行為をすることか」と隊長は語り、郷に良少年を任せ宇宙人説から解放するように指示する。だが郷が再び彼の廃墟に向かったとき彼の姿はそこには無かった。

傘をさして街を歩く良少年。「あれ宇宙人の子供ですよ」彼に浴びせられる住民たちの声。「食パンください」良はそう申し出るが「あとで色々言われるの嫌なのよ」と断られる。去り行く彼の後をパン屋の娘・陽子は食パンを一斤持って追いかける。「同情なんてしてもらいたくないな」断る良だが陽子は「同情なんかしてないわ。売ってあげるだけよ。だってうちパン屋だもん」と言う。料金を払い立ち去る良は笑顔で礼を言い去っていった。「毎日買いに来るよ、これから」と心配がる母親だが「でもいいじゃない、うちパン屋だもん」と明るく答えるのだった。

線路を1人歩く良。廃屋に戻るとそこには郷がいた。追い出そうとする良を止めたのは老人の声だった。郷には老人がメイツ星人であると事情が話されていたのだ。しかし郷にはあの穴が何のためのものなのかはわからなかった。良に聴いても彼は口を閉ざす。「私から話そう」老人の言葉に「おじさん、止めた方がいいよ。MATに言うと宇宙に帰れなくなるよ」と制止する。しかし老人は自分はもう永くないと言い1年前のあの豪雨の日のことを語りだす。地球の風土・気候調査に来たメイツ星人は河原に降り立ち、ムルチを封印した後、自らの宇宙船も地中に埋めたのだ。そして弱りきった良を助け、親子のように暮らしてきていた。このまま地球に住み着いてもいいとさえ思ったが、彼の肉体は汚れた空気によって蝕まれていた。工場の煙、そして汚れた空気が彼を襲っていたのだ。

地中に宇宙船を隠していることを知り、郷と良は地面を掘り続ける。良から近くの高速道路の近くに怪獣が埋まっていることを知る。すると向こうから警官と共に大勢の人間が棒などを持って良に襲い掛かってきた。郷の制止も空しく良は引きずられていってしまう。そこへ老人が廃墟から姿を現し、自分が宇宙人だと名乗り出る。「良くんは私を守っていてくれただけだ」と弱りきった体で良を解放するよう頼む。解放された良は老人の胸に泣きつく。だが民衆の暴行は止まらない。今度は老人にその矛先を向けた。そして無情にも銃声が鳴り響き、老人の体に当たってしまう。「こっちだ・・・私を殺せ・・」老人がそう言うとさらにもう一発の銃声が辺りに響いた。駆け寄った良は老人の手を握り「おじさん・・おじさん・・」と泣き続ける。郷は悔しがるかのように怒りを地面にぶつけていた。彼らの目の前で老人の血が赤から緑へと変わる。民衆たちは静まり返り、少しずつ後ろへと引いていった。

その時高速道路の下から煙が吹き上がり、巨大魚怪獣ムルチが復活した。高速道路を壊し暴れ始めるムルチ。「頼む!早く怪獣を退治してくれよ」廃屋に隠れながら叫ぶ民衆に郷は「勝手なことを言うな怪獣をおびき出したのはあんた達だ」と心の中で思う。金山の怒りが乗り移ったかのように暴れ出すムルチは、民衆の隠れた廃屋を火炎で焼き払う。進行方向を変えたムルチ。雨の中しゃがみこむ郷の前に現れたのは托鉢僧だった。「郷、街が大変なことになってるんだぞ・・・・郷、わからんのか!」彼の声に郷は立ち上がり走り去っていった。笠を上げた僧は伊吹隊長だった。

ウルトラマンに変身した郷は街で暴れるムルチに立ち向かう。激しい雨と風の中、ウルトラマンとムルチの戦いは続く。その戦いはまるで怒りをぶつけるかのような戦いだった。炎の中にムルチを投げいれ、スペシウム光線でムルチを倒すウルトラマン。何も言わず、雨が降る空へと飛び去っていった。

雨が晴れ、太陽の下、河原を荷車を引きながら歩く良。彼は老人がメイツ星に帰り、メイツ星で自分を迎えてくれると信じながら再び穴を掘っていた。良はいつまで穴を掘り続けるのだろう。きっと宇宙船が見つかるまで掘り続けるのだ。地球にさよならを言うために・・・・


「宇宙人だからいじめる」「宇宙人だから殺してもいい」。本当にそうなのだろうか。一方的に「悪い」と決め付け何の罪も無い他人を虐げてもいいのだろうか。そんなはずは無い。他人と分かり合おうともせず、理解しようともせずに虐げていいわけが無い。自分たちと違う姿や出身というだけで差別していいはずが無い。どうして分かり合おうとしないのか。あのパン屋の娘のように、宇宙人だろうと誰であろうと差別しない心が求められているのではないか。

身勝手すぎる民衆。宇宙人だという確証も無い噂話を信じ、集団で少年をいじめ、当の宇宙人が出てきたら撃ち殺してしまうという酷さ。これではあんまりだ。ただ少年を守ろうとしたメイツ星人のどこに非があったというのだ。挙句の果てにいざムルチが出現したら宇宙人側についていたと判断していた郷に頼る始末。郷=ウルトラマンが嫌悪感を見せるのも当然といえよう。

この話から時は35年流れた。今私たちはどうなのだろう。自分たちと違うというだけで、一方的な差別をしてないだろうか。大切なのは偏見を捨て、誰とでも分かり合い、理解しようとする心。そして良少年のように何の罪も無くいじめられている人を目の前にして「それは間違っている」と言え、行動を起こせる勇気。あなたは持っていますか?
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鉄板少女アカネ!第5話

2006-11-13 09:03:15 | テレビ・映画・ドラマ
昨晩降った雪は雨によって溶けていた。が相変わらず寒い。布団をたたむのが非常に辛い今日の朝だった。

またしても世界バレーによって時間帯が狂った「鉄板少女アカネ!」。しかしさすがに先週のような失敗を繰り返す私ではない。ちゃんとバレーを見ながら録画の用意をしていた。8時半頃から見始めその時点でイタリアが2セットとっていたので、日本人でありながらもイタリアの勝利を願っていた。危うく第4セットまで行くかと思ったが何とかイタリア勝利。ありがとうイタリア。でももう少し早く勝ってくれれば録画もそのままで済んだのだが。

前振りはさておき今回は下関でふぐ対決。ゲストは「ULTRAMAN」「ウルトラマンネクサス」にも出演してくださった遠山景織子さん。どうやら心太の初恋?の相手らしく、両思いだったとか。色々あって久しぶりに再会した二人。そんな2人の様子にアカネは気が気ではない。最終的には恋敵を助け、心太は下関に残ることに。でも来週辺りには戻ってくるんじゃないか?こんな中途半端な時期でレギュラーを外すわけないだろう。

今回アカネはV字型の軌跡を描いた。このV字を見てビクトリームを思い出したのはたぶん私だけだろう。それはさておき、ほぼ毎度店の存亡をかけた料理勝負があちこちで繰り広げられ、それにあの目元の化粧の厚いお嬢様が絡んでくるこのパターンにも飽きてきた。ここらで何か一工夫ほしいものだが。

そういえば今回の冒頭でアカネと心太の結婚式のシーンが描かれていた。どう見ても金がなさそうなのに随分と豪華なウェディングドレスだった。今回スタッフや出演者が一番力を入れたのはこの場面じゃないか?というか原作にあるのか?このシーン。
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