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逢坂 冬馬 著 『同志少女よ、敵を撃て』

2022-02-13 | 本の紹介
逢坂 冬馬 著 『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)読了しました。
全496ページの大長編でした。(画像はAmazonHPより)

史上初、選考委員全員が5点満点をつけて第11回アガサ・クリスティー賞大賞を受賞しました。
キノベス2022第1位、2022年本屋大賞候補作、第166回直木賞候補作、第9回高校生直木賞候補作、
その他、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌で続々紹介された話題の逢坂冬馬デビュー作です。

主人公は、独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマ。
急襲したドイツ軍によって、母親の他、全ての村人たちが惨殺され、
自らも射殺される寸前、赤軍の女性兵士イリーナに「ある計画」をもって救われます。
イリーナは訓練学校の教官として女性狙撃兵を育て、主人公を始め凄腕女性狙撃兵たちは戦場へ、
ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線での激戦を戦い抜きます。
彼女たちの真の「敵」とは?何のために「敵」を撃つのか?

女性狙撃手たちの生まれと育ちから、それぞれに命を懸けて戦う理由が見えてきます。
民族のため、家族のため、女性の尊厳を守るため、国を守るため、その願いは切実で真剣です。
実際の歴史が背景なので実在の女性狙撃手リュドミラ・パヴリチェンコも登場します。
この戦いでドイツ軍および枢軸軍の死傷者約85万人、ソ連赤軍約120万人、7万近くのソ連軍捕虜、
戦前は60万を数えたスターリングラードの住民はわずか9796名に激減してしまったそうです。
戦争は何も生み出さない、世界中が悲しみと無力感に包まれて第二次世界大戦が終わったはずです。

それなのに、その後も世界では争いが絶えず、今、ロシアの動きに世界が神経を尖らせています。
「平和の祭典オリンピック」の最中だというのに、きな臭さが日に日に増していて、
ロシア、ウクライナ、アメリカ、中国、等、の動きから目が離せません!

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