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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

アカデミー賞

2022-03-28 | 映画
今日、第94回アカデミー賞の発表があり、作品賞は『コーダ あいのうた』が受賞しました!
まん延防止措置が解除され、春休みなったこともあり久し振りに映画館へ行き、
アカデミー賞作品賞候補作の中から「これ!」と思って観に行った作品でした。

タイトルの「コーダ CODA」は〝Child of Deaf Adults"の略で、
耳の聞こえない者を親とする、耳の聞こえる子供の事を指すのだそうです。
両親と兄は耳が聞こえず、家族の中では女子高校生の主人公だけが聞こえることで、
家族の「通訳」そして家業の漁業の担い手としてヤングケアラーのようなはたらきをしてきました。
皮肉なことに彼女は歌の才能に恵まれ、音楽の先生から名門音楽大学の受験を強く勧められます。
でも、家族は彼女の歌を聴くことが出来ないし、その素晴らしさもわからず、
何よりも「通訳」「働き手」として自分たちのそばにいて欲しいと願っているのです。

家族のしがらみ、家族の愛、家族からの自立、様々な思いで胸がいっぱいになる作品でした。
この映画が作品賞に選ばれて良かった!
家族の会話は手話でなされ、両親を演じた役者さんは実際に聴覚障碍者だそうですが、
手話と表情だけでもこれほど感情が伝わるものなのかと驚きました。

作品賞にノミネートされていた日本の『ドライブ・マイ・カー』は国際長編映画賞を受賞しました!
日本アカデミー最優秀作品賞も受賞したので、これも観に行ってきました。
 
原作は7年前に出版された村上春樹 著 『女のいない男たち』(文藝春秋)、
この短編集の中の1編が「ドライブ・マイ・カー」、こんな短い作品をどうやって3時間もの映画に?!
と思っていたのですが、短編集の中のいくつかの作品のイメージを使ったのだそうです。
日本映画で3時間は長い…と思っていましたがそう感じさせずに映画に引き込まれたのは、
映画の中で演劇が展開され、外国語も登場し、脚本が素晴らしいからなのでしょう。
主人公の妻への踏み込まなさは、子どもを失ったことからなのでしょうか?
きっと妻はもっと間をつめて欲しかったのに、見て見ぬふりをしていた主人公は妻を失ってしまう。
主人公男性の静かな後悔がドライバー女性によって引き出され、やっと自分に向き合えるのです。
女性と男性の思いはすれ違う、そんな短編集の空気感が良く表現されていた映画と思いました。