今日も一期一会

「本が好き♪図書館ブログ」のタイトル変更
本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

「本が好き♪図書館ブログ」からタイトル変更

19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

映画 「利休にたずねよ」

2013-12-20 | 映画
今日、学校は2学期終業式、明日から冬期休業です。
この時期には珍しく3日間雨が降り続きましたが、それほど気温が下がらず、雪にならずに助かりました。

映画「利休にたずねよ」を見てきました。
井戸茶碗の展覧会を見た後で映画を見よう、と思っていたのでやや出遅れましたが・・・
映画の中で茶道の道具に本物が使われていると話題になっていたので、半分は道具目当てです。

原作は直木賞を受賞した山本兼一著の『利休にたずねよ』、もう5年ほど前に出版されたものです。
時系列に逆らって書かれたこの作品は、歴史小説が苦手な私でも面白く読めました。
この作品の中で重要な役割をする高麗からの「緑釉の香合」がとても気になって、
韓国へ旅行した時に、同じようなものはないかと陶器店や骨董店などを見て回りました。
結局、私のイメージしたようなものは見つかりませんでした。

この映画では美術館保管の数点芸術作品が、実際に使われています!

長次郎作 黒楽茶碗 銘「万代屋黒」 利休所持 万代屋宗安伝来 楽美術館蔵
長次郎作 赤楽茶碗 銘「小手巻」
井戸茶碗 銘「春日」 三井家伝来
熊川茶碗 銘「山路」 松浦鎮信伝来
黒茶碗 作 細川護煕

宗家がこれらの茶碗を実際に使うことをよく許可したものだ、とビックリしました。
黒楽茶碗は数億円ですよ!!
実際に手にする海老蔵さんはもちろんのこと、周りの方もどんなにか緊張したことか!
見ているこちらもハラハラしてしまいました。
数百年前、信長や秀吉、利休の手を経てきたこれらの茶碗、映画の中での存在感は圧巻です。
美術雑誌『芸術新潮』11月号の特集は「利休と名碗」でその表紙がこの黒茶碗。


利休作の茶杓も使われたそうです!
それから、映画の中ではチラッとしか映らないベネチアングラスセット、
これはイタリアベネチアのムラーノ島で、3か月かけてこの映画のためだけに作られた特注品だそうです。
例の「緑釉の香合」は、陶芸作家が新羅時代の壺からイメージを膨らませて創作したそうですが、
私もこの感じは合っていると思いました。


ロケ地も豪華!
重要文化財:大徳寺「金毛閣」 重要文化財:裏千家「今日庵」の露地  
重要文化財:南禅寺「三門」  国宝:彦根城「白沙村荘」  三井寺  神護寺

料理は京都祇園丸山の丸山嘉桜

その他にも、
秀頼の産湯に使用されたとされる「豊臣家の桶」京都慈受院蔵 、花は池坊御家元御用達「花市」
箸は宮内庁御用達「箸膳本店」、香木は「山田松香木店」と、
とにかく日本文化のお宝オンパレード!

これらが使われているのを映像で見られただけでも大満足です。
私は茶道を少したしなむ程度で、今は全くお稽古もしていないのですが、茶道の世界は好きなのです。
そして海老蔵さん演じる千利休、失礼ながら思っていたよりも良かったです。
今は亡き、市川團十郎さんと親子で演じるシーンも感慨深いものがありました。
最後のシーン、原作とちょっと違っていました。
田中光敏監督の解釈はこうなのか・・・と思ったのでした。

京都に住む知人が、エキストラでこの映画に参加したという情報が!
羽織袴帯刀姿でまげのかつらもかぶって北野大茶会のシーンに登場したそうで、
映像の中を一生懸命探したのですがちょっと見つからなかったです~残念!

この映画、映像も美しく、本物ににこだわって作られたそうですが、評判も人の入りもイマイチみたいです。
隣国との関係が今は微妙なこと(数年前は良かった)、史実に異なる部分も多いこと(だって原作はフィクションですから!)、
お茶の世界に興味がある人も残念ながらあまりいないのかな。