カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

返還前香港と中国合作映画   ポリスストーリー3

2021-06-11 | 映画

ポリスストーリー3/スタンリー・トン監督

 人気シリーズ第3弾。香港の生え抜き警官が、中国本土の女性凄腕警官とともに麻薬シンジケートに侵入し(おとり捜査)、組織の全容解明と壊滅をかけて活躍する。命がけのアクションや、これまで通りのギャグを含めた豪華なつくりの作品になっている。当時はまだ香港は返還前で、香港と中国本土のスターが共演していることも含め、なかなか考えさせられる内容になっている。当時の風俗であるテレビゲームが出てきたり、アメリカのジャングルでの爆破シーンを彷彿とさせるマレーシアでの火薬たっぷりの爆破シーンも見どころである。ヘリを使ったり車などでのアクションも、これまでの廃車同然の車ではなく、ちゃんとした高価なものをそのまま使ったようにも見えており、これは相当予算が確保できたものとみえる。当時の映画はバブリーだったのかもしれない。
 敵のナンバー2の脱獄を手伝って仲間に取り入り、疑似家族を紹介して信用を得るようになるが、香港に帰ってくるとつきあっている彼女に見つかって警察だとあっさりばれてしまう。最初からそういう努力なしに敵と戦うこともできたのではないかと疑問に思うが、まあ、そういう心理戦とギャグの混ざった作風が、いかにも当時の香港映画らしくて、いい感じであるのも確かだ。こういうふざけているのか真剣なのかよく分からない感じこそ、ジャッキー映画なんだよなあ、という感慨が深いものなのである。
 中国のアクション女優であるミシェル・ヨーのアクションの切れも素晴らしく、これだけ体の動く女優が映画に出ている(さらに美貌である)というだけで価値も高い。当時は安易なCGもない時代で、さすがにバイクのアクションなどはスタントマンだろうけど、激しく危険なシーンも当然本人が演じており、その臨場感はすごいの一言である。中国の無名だろうアクション・マッチョなんかも出てきており、さすがに本土は層が厚いな、というのも見て取れる。しかしながら現代になると、やっぱりCG中心だろうからそれほど本当の鍛え方は必要ないのかもしれず、なんとなくもったいない話である。
 結果的にこれでよかったのかどうか分からない結末ではあるけど、まあ、いろんなものは壊滅できたようで、めでたしめでたしなのであった。
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