カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

とにかく騒々しい   ひばりチエミの弥次喜多道中

2021-06-07 | 映画

ひばりチエミの弥次喜多道中/沢島忠監督

 芝居小屋の下足係の娘二人が、麻薬密売事件に巻き込まれて解雇されて、そのお金をもとに東海道を珍道中で旅してまわるという時代劇ミュージカルコメディ。最初から最後まで徹底したドタバタコメディで、当時の歌姫二人が(美空ひばりと江利チエミ)、いわばアイドルとして滑稽映画に徹している作品になっている。
 美男子の同心が実はおとり捜査で麻薬密売団のチンピラとともに行動しており、それを町奉行が監視しながら追っている。元下足係の二人娘は、同中酒に酔ったり暴れたり、歌を歌ったり恋をしたり、とにかく忙しく騒がしい。これだけ騒がしくギャーギャー言っている映画も珍しく、ほんとに耳をふさぎたくなる騒動が続く。家人はこれにあきれてみるのをあきらめ、なぜか僕は退屈して寝てしまった。
 そういうわけで後で後半は見直したが、まあ、そのまま騒がしく終わってしまった。さすがといえばそうかもしれないが、この時代の娘というのはこんなに騒々しかったのだろうか。
 江戸時代だが、時折現代の単語が飛び出したり、ギャグだとは言え、かなりハチャメチャで無茶苦茶である。音楽もジャズもテンポ良く飛び出すし、いわゆるごった煮である。舞台芸のようなきらびやかさもあるし、ロケも当然ある。テンポがいいので、そのままどんどんお話が進んでいくような印象を受ける。それでいて、結局何の話だったかな、という感じで、まあ、ストーリーなんてどうでもいいのだろう。一応筋はあるが、それもまあ、これだからこれで解決したのかは、よく分からない。ちょっとだけ意外性のある悪人もあるが、それにしたって、まあ、怪しくはあったわけで、騙されてやらなくては面白くないかもしれない。
 今のアイドル映画とはずいぶん違うといえばそうだけれど、今とは違った広い意味での国民的なスター・アイドルだったわけで、そういうファン層に慮って思いっきりファン層の要望に応えると、このような映画になったのかもしれない。すごいといえばそうで、しかし物好きな人が楽しんだらいい作品かもしれない。
コメント
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