ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト/マーチン・スコセッシ監督
基本的にはあるライブの舞台裏から表舞台までのライブ映像、というドキュメンタリーである。後半はそのままライブなんで、映画という感じはしない。しないが、監督は監督さんなので、映画的には終わるわけだが。
2006年のライブらしいが、僕なんかがストーンズに熱中していたころのライブというのは80年代だったから、もうかなり熟年の人々がやっているという感じだ。おお、頑張ってんな、というのがひしひしと伝わってくるわけだが、何しろもうすでに年である。曲のアレンジなんかは基本部分は同じだけど、ちょっと省力化してむしろシンプルになっている。しかし、遊んでいるような動きがありながら洗練もされている様子で、やっぱりずっとライブをやってきた連中なんだな、というのが良くわかる。凄いもんです。今でも基本的には何かやってるわけで、これでも15年前だと思うと、ちょっと恐ろしいくらいである。音楽界の高齢化問題というのは、深刻だが面白い。
20曲の演奏がたっぷりみられる。固定カメラでずっと撮られているわけではなくて、それなりに動きがある。今となっては、そういうライブ映像は珍しくもなくなったが、なるほど、この映画を参考にして撮られたライブというのは、その後それなりにあるのではあるまいか。
ジャック・ホワイト、バディ・ガイ、クリスティーナ・アレギラがゲストとして1曲ずつでてくる。みなファミリーのような付き合いをしているような雰囲気である。ストーンズはキャリアも長いが、その分交流の幅も広いということかもしれない。ストーンズの音楽自体が非白人的な白人音楽だが、ジャンルとしても古典やハードロック、日本の歌謡曲的なポップロックまで取り入れ、影響を与えていると考えられる。おんなじことを長年やっているようで、案外柔軟なところがあるともいえるだろう。少なくとも頑固ではないのではないか。
酔っぱらってだらだら見るのに適したライブかもしれない。こういう人たちが頑張っていると、なんだか運動したくなるんで不思議です。ダイエットになるかは、分からないけれど。