地球の年齢はいくつか、という設問がある。星が生まれた時をいつととらえるかという問題はあるが、基本的に地球が今のような大きさになった時を誕生とするならば、ということになるだろう。星の誕生もいろいろあるらしいが、地球のような岩石の惑星は、チリや小惑星が何度も衝突を繰り返し、段々と大きくなったと考えられている。そうして今のような大きさになる最後らしい比較的同じ大きさくらいの惑星が衝突し、その破片が月として地球の衛星になり一回り大きくなった地球の大きさでほぼ安定したとのことだ。もちろんその後も地球の引力もあって数限りない隕石が落下してきただろうけれど、キリが無いのでその頃を一応地球の誕生と考えようということになろう。
地球と月が出来上がる惑星同士の衝突はそれなりに激しく、一度ばらばらになりながらも互いの引力でさらに塊をつくった。衝突のエネルギーで灼熱の火の塊のような星だったようだ。そういう状態が長く続き表面の温度が下がるのにも時間がかかる。いまだに地球の内部はマントルなど灼熱世界が地下に眠っているが、冷たい宇宙空間にあって、長期間熱をためられるだけの適当な大きさであるということも言えるのかもしれない。それは人類を含む生物には幸運なことで、後にその重力で大気や水を表面にたたえるちょうど良さもあるのかもしれない。
ところで地球の年齢を調べるときに、この最初の状態というのが少し厄介なようだ。要するにこの灼熱の環境にある痕跡が、地球表面から分かりえないのだ。その上で地球の表面はプレートテクトニクスという何枚ものプレートでおおわれていることが分かっている。核があってその周りにぶあつくマントルが覆っている。そうして表面を薄く地殻が覆っている。繰り返すがこの地殻はプレートとして表面にいわば浮いているような感じで、ぶつかり合ってマントルに埋もれこんだりする。表面にある古い痕跡は、だから今は地中内部にあって分からない。地球上に残っている古い地層などの研究も進んでいるが、そういう訳で最初の痕跡を探すことが極めて難しいのだ。
結局地球の年齢は、地球に落ちてきた地球の誕生と同じころらしいとみられる隕石などを分析することで、割り出されている。地球上に最初の痕跡が無いのだから便宜上である。地球が生まれた頃と推測されているところから飛んできて地球に落ちてきた隕石を調べて、そうしてその隕石の状態から年代を割り出す。もちろん比較的古い地球の痕跡とも比較して、おおよそという年代を割り出す訳だ。その計算の仕方には諸説あるにせよ、そうしておおよそ45億5000万年で、誤差は±7000万年といわれている訳だ。7000万年の誤差は人間の寿命から考えるととんでもなく大きなもののように感じられるかもしれないが、そもそもの宇宙スケールの時間から考えると、かなりいい線いっている数値なんだろう。
45億年という数値が分かる事だけでも大変に素晴らしいことだと思うが、人によっては何の意味の見いだせない時間軸かもしれない。そういう面白さに魅せられる人がいて、ちゃんと精度よく実際に調べられていく人間の歴史がある。もちろん将来的な時間としては、人間はいずれ滅びるわけで、そういう意味では本当に意味は消えてなくなるだろう。今生きている人間はそういうことも感じながら一瞬を生きていくより無いのであろう。