ちょっと前だがホームセンターの広い駐車場で空きスペースを見つけてバックして停めようとしたら、スルスルと後から来た車が来て停めてしまった(軽だった)。久しぶりにカッとして車から降りて蹴りを入れようを思ったが、よく見るとかなりご高齢の爺さんで、何とか自重した。停めた後に僕の車にさえまったく気づいていない様子だし、爺さんなりに見事な運転といわねばならない。
仕事の都合で北島三郎のコンサートに付き添いで見に行ったのだが、客が見事にご高齢の人だかりで圧倒された。この時は開演時間が少し遅れたのだが、開かない緞帳に向かって「(早く開演しないと)帰えっぞー(帰るぞ)」という野次が飛んで一時騒然とした。僕の連れていた人はこの声に怯えてしまって外に出るといいだして、一緒にしばらくロビーで休憩しなければならなかった。まあ、僕としてはそれでもいいが、楽しみにしていたのに可哀そうだった。
それで一時間くらいして落ち着いたので会場に戻ると、サブちゃんがいろいろ話をしていて、話をしている最中に席を立つ人がいて、「おいおい、話の途中でトイレですか?」といってウケをとったが、驚いたことにその一言で、数十人くらいの人が立ち上がってトイレに行く人が続出した。恐らく言葉に反応して、俺(私)もトイレに行かなくちゃ、と思ったらしい。サブちゃんはさらに苦笑するしかなかったが、その後もちゃんと歌っていて見事だった。
それにしてもこのコンサートの合間に携帯で写真を撮る人は普通にいるし、実際に電話のベル(というか着信音)が頻繁に鳴る。そうしてその電話に出る人が大声で話している。警備に立っている人も、もう注意するのも諦めている様子だった。
他に車椅子の付添をしている職員(女性)の話だと、普通のコンサートなら車椅子で並んでいると障害者用トイレの前を暗黙に人の列が分かれて道をあけてもらえることが多いのだが、皆無視をするばかりでなく、我先に割り込んで障害者用トイレに入っていく人の波にあらがうことが出来なかったという。気づいていない訳では無くて、皆気になどしていないということらしい。
僕らの集団は移動に時間がかかることは仕方ないと思っているが、人ごみが多いというだけの問題では無く、この時は本当に難儀してしまった。やっと抜け出してバスに乗り込めたときは、本当にほっとしてしまった。
実はサブちゃんは以前に博多座でも観に行っていたのだが、同じご高齢であっても客層が違うというのがあるように感じる。その時はここまで疲れることは無かった。もちろん料金も違うのだろうが、特に名を秘すが場所で客層のマナーがぜんぜん違うということのようだ。夜の部では少し違う人たちが並んでいるようにも見えたので、平日の昼間っからこういうショーを観るような場合というのもあるのかもしれない。くわばらくわばら、である。
まあしかしながら、これが高齢社会の現実なんだろうとも思う。いまどきの若い者は、なんていうのは可愛いもので、いまどきの年寄りは…、ということの方が目に余る社会が到来しているということなんだろう。