カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

動機は能年玲奈目当てだったが…   海月姫

2015-12-26 | 映画

海月姫/川村泰祐監督

 原作は東村アキコの漫画。僕は未読(いちおう持ってる)。
 主人公はクラゲに異常な執着を見せる女で、彼女が住んでいるアパートは同じようなオタク趣味のある女だけが住んでいる砦のような場所になっている。しかしこのアパートは都市の再開発がされるところでもあり、いわゆる地上げ屋が買収に乗り出している。大家も丸め込まれ絶体絶命である。そういう中で都市開発を進めている政治家の息子に恋に落ち、さらにその息子の弟に好かれているという三角関係に陥る。弟の方は女装趣味があり、オタク女集団にとけこみ、アパート買収を阻止すべく秘策として斬新なファッションショーを行うことを発案するのだが…。
 この起死回生のファッションショーを行うにあたって、実はこのオタク集団が力を合わせるというのがミソ。人間関係を構築するのは不得手だが、センスのある服をデザインしたり縫製したり、またモデルとして才能のある人もいたりする。女装趣味の男は政治家一家の金持ちでもあり、さらに死んだ母親のファッションセンスも受け継いでいるという設定だ。短髪で茶髪の時は女にモテ、かつらをかぶって女装すると気は強そうだが美女に変身する。この役を管田将暉が演じていて、クラゲを愛するオタクを演じる能年玲奈が主役だが、それ以上に重要な役であるし、実際にきれいで見どころである。あと池脇千鶴も出ていたらしいが、分からなかった(あれかな、とは思うが)。
 映画としては少しドタバタしてまとまりは良くないけれど、そういうものだとして観る分には楽しめるかもしれない。男のオタクならとことんキモイ感じに描いても、物好きな女があらわれて恋愛に行きつくのはそこまで無理はないが(女の多趣向性は偉いと感心します。もしくは柔軟性か)、女のキモさというのは、詳細に描くと単に病的に破綻しているように見えるし、また、これを物好きに好む男性を描きにくいという感じもある。そういうところはおそらく漫画なら克服できるのかもしれないが、実写映画だと少し中途半端になるような感じはあった。まあ、仕方ない課題かもしれない。
 いちおう持っている漫画も見てみなくてはと、改めて思った次第。なお原作者の東村アキコはカメオ出演していたし、科白もあった。僕はテレビで見たことがあったので気づいたが、演技の役より実物の方がきれいな人という気もした。日本を代表する漫画家として、今後も活躍を期待したいです。
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