カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

酔っぱらいにも理屈があるようだ   ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う

2015-06-24 | 映画

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う/エドガー・ライト監督

 英国と言えばパブ文化であるといわれる。このような映画などで見たことはあるが、実のところ本当にはよく知らない。男連中が連れ添ってビールを飲むところらしいというのは分かるが、時折女が居てもいいのかもしれないし、しかし厳密には若者から爺さんまで、ワイワイ主に地元民で飲むところらしい。食い物もないではないが、あくまでつまんでぐいぐいやるというスタイルということだろう。銀座ライオンみたいなものかな、とも思うが、やっぱりちょっと違うのだろうな。時折そんなような店が日本にもできるが、結局居酒屋に行ってしまうので、呑兵衛の質のようなものが違うのであろう。
 まあ、そういう店に以前の友人たちと連れ添って、以前達成が出来なかった12軒はしごの飲み会をやろうということになる。以前は断念したということだから、やはり難しい酔狂なんだろう。そうして以前の悪友たちが集まってハシゴ飲み会が始まったのだが、いろいろ事情があって、これがアクション映画に変化してしまう。そうして途中はホラー映画化し、最後の方はさすがに英国人らしく、ちょっと理屈くさい展開になるというお話だ。基本的にはコメディで、ばかばかしく楽しめばいい映画だとは思うが、ふだんはハリウッドばかり見ているような人にとっては、それなりに新鮮に楽しめるのではないだろうか。何しろいろいろ変わっているし、一筋縄ではいかない。美男美女は基本的に出てこないし、びっくりさせられるが、どこかバカバカしい。でもちょっとだけ考えさせられたりもして、ひょっとするとこれはいい映画を観たのではないかという感慨を持ったりでもできるだろう。そういう意味ではお得な映画ということもできるだろう。
 飲んで酔っ払って愉快だというのはそれでいいのだが、もちろんそういうことを僕も時にはやってしまったりもするんだが、しかし、基本的にそれは、冷めてしまうと非常に苦しい。そういう無常観を味わって、楽しいけれどそうそうはまたやりたいなどとは思わない訳だが、しかしまた、どういう訳かやってしまったりする。たいていは古い友人の場合が多いが、めったに会えない状況だったりすると、そういうスペシャル感のある高揚感とアルコールの作用で、タガが安易に外れてしまうということがあるんだろう。お互いに、自分の所為ではないような相互無責任というのがあって、古い友人であれば、これがトリガーになってしまうわけだ。以前にすでに過ちは経験しており、それであっても友人関係が続いているのであるから、もう何も怖いものが無いのである。しかしそれなりに忘れていることもあって、また同じように喧嘩してしまって、今度こそ取り返しのつかないような気分を味わったりもするわけだが、しかし二日酔いになれば、あんまりそういうことを考えるより体の方が苦しい。結局は記憶もあやふやだから、また飲みに行くしか無くなってしまうのだろう。
 しかしながら、多くの場合は楽しい客が多いことだろうけれど、こんな客がひっきりなしにやってくるパブという店を切り盛りするのは大変なことだろうな、とは思う。バイキングの国で、高いリスクを背負って酒を飲ませる勇気があるのが、真の男気のある姿なのかもしれない。
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