カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

はんぺんちくわぶは未知の食べ物だった

2015-06-25 | 

 家でおでんを食べないわけではないが、これは比較的近年になってという感じがある。それというのもおでん具材(ネタ)がすっかり変わった感があるせいである。
 そもそもはんぺんを見たのはいつだったか。子供の頃におでんの宣伝があって、はんぺんを食べている風景を見た。あの白いものはなんだろう、と思った。母が「そういえば九州ではあんまり見ないね」と言ったのを覚えている(ちなみに両親が所帯を持ったのは東京が最初。僕は長崎に帰ってから生まれた子である。僕の姉や兄は東京生まれだ)。実際に売ってないので食べたことが無い。ずいぶん後になっておでんだしに浮いているはんぺんを見たときは、かなり失望した。何という軽さ。恐らく成長期の少年には、ボリュームが足りなかったのだろう。
 ちくわぶを初めて食べたときはちょっと驚いた。ちくわぶという言葉は知っていたのに、ちくわぶを食べたことが無いとは自分でも知らなかったのだ。これは居酒屋か何かで食べた訳だが、もう大人になってからだった。それもたぶん福岡かどこか、マイホームタウンではなかった。まずいわけではないが、特に旨いとも思えない。しかし気になって結構食った。貧しい食べ物のような感じもするし、しかし得をしたようでもある。後に聞くところによると、ちくわぶというのは東京地方の局地的な食べ物だったらしい。いつの間にか流通するようになったのだろう。今は九州でも見るようになっているが、しかしやはりメジャーではない。
 コンビニの普及の所為か、おでんのダシもずいぶん変わったという感じもする。以前より見た目は濃いけれど、味が薄い。考えてみると九州はどちらかというと関西風のダシが一般的だったが、関東風が近年席巻しているということもあるんだろう。ダシの黒い蕎麦なんかも最近は見るようになった。いまだに透明感のあるダシの方が主流だとは思うが、流通が良くなると、関東が西も席巻してしまうのかもしれない。今はおでんはすっかり関東風優勢になった感があり、年配の人が家庭において比較的関西風という感じではあるまいか。長崎ではもっと透明なおでんの有名店なんかもあって、しかし少し塩気が強いというのが以前はあった。今やそれらは懐かしい食べ物という気もする。手間がかかるので、根気が無いと作られないということもあるのかもしれない。お手軽なおでん風土という面では席巻もやむを得ないわけで、やはり長崎は多少特殊なのかもしれない。
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