カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

失われたものは仕方ないが…

2015-06-18 | 境界線

 牛乳を飲むと大きくなるといわれて、十代の頃は無理に牛乳を飲ませられた。大きくなることを望まないわけではなかったが、お腹の調子が悪くなるらしく、無理には飲めないようだった。牛乳の味は好きだったので、ちょっと残念だが、いつの間にか飲まなくなったようだ。
 実は牛乳を飲めない人の方が多数派である。世界的に見て68%の人が、牛乳を飲めないらしい。酪農の盛んな欧州のようなところだと、少しはその率は下がるかもしれないが、基本的に飲めない体質の人の方が多いらしい。それは牛乳を消化するためのラクターゼという酵素を、持たない人が多いせいだという。ラクターゼは子供の頃には誰でも持っているが、成長とともに無くしてしまう人が多い。要するに持っている人は、成長してもラクターゼを保持することのできた、進化形の人間なのかもしれない。もしくは何かの能力が退化したのかもしれないが。
 牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなるような人を、乳糖不耐症という。そのような人でもヨーグルトなら大丈夫という場合は多い。これはヨーグルトの乳酸菌自体に、ラクターゼを持っているためだという。乳糖の大方は既に分解されているので、影響を受けにくいらしい。
 世間では牛乳などの影響が健康に悪いという話もあるわけだが、そのような事実は必ずしも明確ではない。むしろ長寿の人の80%は、ヨーグルトを常食しているという話もある。腸内細菌が良好だと、長寿には影響が大きいということらしい。
 さらに腸内フローラといわれる腸内の細菌の良し悪しで、精神状態や病気などに大きな影響があるという話もある。納豆などの食品や、直接良いという訳ではないが、細菌を増やす役割のある食物繊維などが体に良いとされるのは、そのような理由である。
 健康のことを気にすること自体が不健康の始まり、というヒネた考えはあるにせよ、腸がいいと調子がいいというのは、なんとなく愉快な気がする。まあ、それでも病気になる人はいるんだろうから、過信は禁物であるが…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする