反逆のメロディ/澤田幸弘監督
原田芳雄の魅力満載映画といった感じ。地井武男が骨のあるチンピラの役をしていて(なお梶芽衣子と絡んでたり)感慨深い思いもした。さらに感慨深いのは佐藤蛾次郎がちゃんと演技をしていたり歌を歌ったりすることだったりするのだが、これは衝撃とも言って良いかもしれない。いろいろ面白いキャラクター満載でありながら、みんな原田が持って行って終わりということにもなって、いい映画なんだけど妙に微笑ましいという感じもする。後の男くささというものの原型でありながら、しかしむしろ美しい男という感じもあって、そちらのファンにもしっかり貴重な映画かもしれない。というか、今の視点からすると、ほとんどそっち系という感じしかしないかもしれない。
ヤクザの組が解散して堅気の仕事をするようになって、もとのヤクザとしてはちゃんとしてないやくざが面白くないという図式がまず滑稽なのだけど、悪いとされているヤクザ集団が怒って当然の事を繰り返し嫌がらせしてやっており、相手がヤクザらしい復讐して返すものを利用してさらに爆発するという刹那的なところが、時代と言えば時代だが、困った自己中という思いがする。まあ、カタルシスとしてはまったくもってそれでいいのだけれど、もっと活躍しそうな人は、あんがい簡単に方がついてしまって拍子抜けするということも言える。
最終的に一番悪いのは他ならぬ警察で、彼らの手の中で遊んでいる分には何の問題も無いのだが、本当にその枠から外れると抹殺されてしまうということなのかもしれない。それは権力というものの象徴かもしれなくて、あくまで抵抗して反抗するのが正義ということを言いたいのかもしれない。でも本当はそういう大義のようなものをかざして「スカーッとしたい」というだけの未熟さがあって、昔の大人は子供だったんだなあというような時代の空気を読み取ることができる。
それにしてもあれだけ暴れておいて、警察から取り調べを受けると、何にもしてないのにと悲観にくれる姉さんの姿を見ていて本当に無理があると考えてしまっては、この物語は盛り上がらないだけのことかもしれない。いや、実はそういうところが僕は好きなんだけど、それはそれで屈折した見方かもしれなくて、なかなかいい映画だということが言いたいというのが本音であるのだった。
原田芳雄の魅力満載映画といった感じ。地井武男が骨のあるチンピラの役をしていて(なお梶芽衣子と絡んでたり)感慨深い思いもした。さらに感慨深いのは佐藤蛾次郎がちゃんと演技をしていたり歌を歌ったりすることだったりするのだが、これは衝撃とも言って良いかもしれない。いろいろ面白いキャラクター満載でありながら、みんな原田が持って行って終わりということにもなって、いい映画なんだけど妙に微笑ましいという感じもする。後の男くささというものの原型でありながら、しかしむしろ美しい男という感じもあって、そちらのファンにもしっかり貴重な映画かもしれない。というか、今の視点からすると、ほとんどそっち系という感じしかしないかもしれない。
ヤクザの組が解散して堅気の仕事をするようになって、もとのヤクザとしてはちゃんとしてないやくざが面白くないという図式がまず滑稽なのだけど、悪いとされているヤクザ集団が怒って当然の事を繰り返し嫌がらせしてやっており、相手がヤクザらしい復讐して返すものを利用してさらに爆発するという刹那的なところが、時代と言えば時代だが、困った自己中という思いがする。まあ、カタルシスとしてはまったくもってそれでいいのだけれど、もっと活躍しそうな人は、あんがい簡単に方がついてしまって拍子抜けするということも言える。
最終的に一番悪いのは他ならぬ警察で、彼らの手の中で遊んでいる分には何の問題も無いのだが、本当にその枠から外れると抹殺されてしまうということなのかもしれない。それは権力というものの象徴かもしれなくて、あくまで抵抗して反抗するのが正義ということを言いたいのかもしれない。でも本当はそういう大義のようなものをかざして「スカーッとしたい」というだけの未熟さがあって、昔の大人は子供だったんだなあというような時代の空気を読み取ることができる。
それにしてもあれだけ暴れておいて、警察から取り調べを受けると、何にもしてないのにと悲観にくれる姉さんの姿を見ていて本当に無理があると考えてしまっては、この物語は盛り上がらないだけのことかもしれない。いや、実はそういうところが僕は好きなんだけど、それはそれで屈折した見方かもしれなくて、なかなかいい映画だということが言いたいというのが本音であるのだった。