カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

そう言えばもう終わるのか

2012-12-12 | 時事

 そろそろ今年を振り返る人が増えてきたようで、その様な総括めいた言動を耳にしたり目にしたりするようになった。だいたいにおいて世に疎いのでそれらに特に口をはさむことができない事が多いのだけれど、改めて今年に何があったのかというのを聞いてみると、本当に知らんことだらけである。
 ところでNHKの大河ドラマの「平清盛」の視聴率が記録的に低かったという話があって、それはたぶんそうなのだろうから事実ということにおいては何ら意見は無いのだが、高い低いがそもそも何が問題なのかというと、要するにドラマにケチをつけているということのようにも思うのだが、はたしてそんなに清盛はつまらないドラマだったのかということを考えると、それなりに考えるところがあるのであった。それというのも珍しく僕は、熱心とまでは行かないまでも、けっこう続けてこのドラマを観ている一人だからというだけの話なんであるが…。
 そもそも論で言うと、大河ドラマは熱心に観たという覚えは最初から無い。それというのも、後で考えてのことだが、戦国時代とか幕末とか忠臣蔵がそんなに好きではないというのがまずあるような気がする。大河ドラマはこの分野のどれかが当たるといわれているそうで、なるほどと思う。最初から僕の趣向とは外れていたのだ。
 それでは平安時代が好きなのかというとそんな事はまるでない。もともと清盛もそんなに知らないし、ましてや平家というのは滅びたことは知っているが、それは優雅に暮らしていたので武士である源氏に滅ぼされたのだとばかり思っていたからだ。それに一言文句を言わせてもらうと、何かと名前に「盛」ばかり入れて、面倒だし個性が無いのがどうかとは思う。
 まずはそれがぜんぜん違うらしいぞというのがたいそう驚きで、さらに松山ケンイチという俳優はなかなか良くて、すぐに興味を持ったという感じだった。その前の「龍馬伝」はなんだかみんな怒鳴ってうるさかったのだけど(後で間に「江」があるのを忘れていたことを知る)、そういう点でもとても見やすい。さらに敵役の松田勇作の息子演じる後白河も憎らしくていいのである。もっとコテンパンに力でねじ伏せて欲しいという欲求をたぎらせてくれる展開も、あくまで政治的にねちっこく行く人間関係も、複雑と言えばそうかもしれないけど、まあ当たり前と言えばその様な感じで、なかなか上手い演出なんではあるまいか。平家が自由奔放にふるまって栄華を極めているのかというと、なんだかこんなもんがそうなのか、というような公家の嫌らしい世界観があって、ちっとも好きになれはしないが、清盛には頑張ってほしいと毎回思ってしまうのだった。繰り返すが、難しい役どころを松山は結構熱を込めて頑張っているのではないか。若いのにえらい俳優さんである。
 最近の傾向か知らないけど、画面も何となく美しいし、展開もよく練られていて飽きさせない。比喩なども上手く使っているし、訳の分からない時代考証の微妙なところのごまかしも、なかなかしのぎ方が上手いのではなかろうか。もちろん専門家には微妙過ぎるきらいはあるかもしれないが、近年の大河は、思い切って時代考証を改竄してしまう荒業が多かったから、よく知らない時代だからこそあんまり気にせずに観ることができたということもあったのかもしれない。まだ終わって無いが、最後まで頑張っていただきたいところだ。
 ということで、平清盛が近年に稀に見る傑作だとまでは持ちあげる訳ではないまでも、なんだか突っ込みどころの多かった篤姫とか龍馬とか続いた後なので、少しばかり点数が甘くてもよいという気はしている。観てなかった人は、それなりにもったいない一年を送ったということに過ぎないのではなかろうか。もうすぐ終わるのが久しぶりに残念に思える大河ドラマなのであった。
コメント (2)
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