哲学者の名誉

2013-05-24 | 【樹木】ETC
 古代ギリシアの哲人、タリスが、オリーブオイルの搾り器を借り占めて、大儲けをしたのには理由がある。
 タリスは、夜ごと、岩山に腰を下ろし、星空を仰いでいた。周りの女たちには、何をするでもなくボケーッとしているその姿を見て、役立たずのおじさんにしか見えなかった。要するに、馬鹿にされてしまった。当然といえば当然、女たちを咎めてもはじまらない。
 タリスは、哲学者の名誉にもかかわるとして、金儲けなんて簡単なことと、みんなの鼻を明かしたのである。儲けた金には、目もくれなかったとか。
 タリスは、ただ、夜空を眺めていただけではない。天体の動き見ていたのである。
 その地方では、オリーブの実の不作が続いていた。タリスは、星の観測で、近く、豊作が到来することを予測したのである。
 搾り器の借り占めに走ったときも、みなは、豊作の時の訪れを知らず、不信を抱くことはなかった。タリスは、それなりの使用料をとったという次第。
 ※いささか、脚色してしまったかな。 

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