夏草は茂りにけれど

【新古今和歌集】
　夏草は茂りにけれどほととぎすなどわが宿に一声もせぬ（延喜御歌）
この前、寝ようかと思ってカーテンを引いたら、ヤモリが落ちてきてびっくりした。ベランダに棲みついているのがいたから、おそらく、そいつが入ってきていたのだと思う。　小さい頃、木造の日本建築の家に住んでいた。夏の夜となると、部屋のなかの壁にヤモリが這っていることがよくあった。
　わが宿にも、ほととぎすの声は聞こえぬが、ヤモリがいた。