“ブエノスアイレスのマリア”

2024-10-05 | 【断想】音楽

 アストル・ピアソラの“ブエノスアイレスのマリア”は、これまでに、ギドン・クレーメルのTELDEC盤、Milon・BMG盤と聞いた。
 それで、今回は三つ目となる。
 VictorからのCD2枚組で、充実した解説が付いていた。
 しばらく前から、手元にあったのだが、その解説をしっかり読んでから聞こうと思っていた。
 スペイン語で歌われていて、聞いても意味がとれないからだ。
 しかし、字が細かいこともあって、それがなかなか出来ない。
 それで、とりあえず聞いてみることにした。
 “ブエノスアイレスのマリア”は、アストル・ピアソラによる音楽、オラシオ・フェレールによる詩で、1968年に作られたオペリータ(小オペラ)。
 2部構成で、全部で16トラック。
 第1部には、小悪魔、マリア、アルゼンチンの吟遊詩人、“ブエノスアイレスっ子”、“バンドネオン”が登場する。
 通常の人間たちがからみあう劇ではない。“バンドネオン”と言うのも登場〈人物〉のひとつなのだ。
 第2部は、「葬送コントラミロンガ」と題するトラックで始まる。
 夜の生き物たちが、マリアの葬送を執り行ったことを小悪魔が語る。
 悲歌である。
 「受胎告知のミロンガ」があって、ラストは、ミサ・レクイエムでの「アニュス・デイ」をもじっての「タングス・デイ(神のタンゴ)」との名のトラック。
 僕たち人間の哀しさ、小ささ、愚かさ、そして、人間のいとおしさ・・・・、沈思をもたらす作品だ。
 言葉はわからないが、曲調、音質は多くを語ってくれる。

 


“逝ける王女のためのパヴァーヌ”5

2024-10-05 | 【断想】音楽

 モーリス・ラヴェル作曲の「逝ける王女のためのパヴァーヌ」を聞く。
   今度は、ジャズのピアノ・トリオの演奏。
 スティーブ・キューン・トリオの「亡き王女のためのパヴァーヌ」(2005 VNUS)で。
 ピアノは、スティーブ・キューン。
  ベースは、デヴィッド・フィンク。
 ドラムは、ビリー・ドラモンド。
 久しぶりに、ヴィーナスのCDだ。
 音がいい。
 演奏もいい。


“逝ける王女のためのパヴァーヌ”4

2024-10-05 | 【断想】音楽

 つづけて、モーリス・ラヴェル作曲の「逝ける王女のためのパヴァーヌ」を聞く。
  本来のピアノのクラシック作品として。
 ピアニストは、アビー・サイモン。
 CDは、VoxBox。
 なんだか、学校の先生が、ピアノを弾いているを聞いているような気分。
 曲を知るにはいいように思う。
 もしかしたら、わたしの言い草は、とても失礼。
 別の機会に聞いたら、別の印象を持つかも知れない。


“逝ける王女のためのパヴァーヌ”3

2024-10-05 | 【断想】音楽

 モーリス・ラヴェル作曲の「逝ける王女のためのパヴァーヌ」を聞く。
  本来のピアノ作品として。
 ピアニストは、サンソン・フランソワ。
 CDは、EMI。
 ピアノだけというのもいいけど、優しく雅びがあって美しい。
 だけど、さみしくなってしまう。
 地味になってしまうと言えば、そうなる。


“逝ける王女のためのパヴァーヌ”2

2024-10-05 | 【断想】音楽

 モーリス・ラヴェル作曲の「逝ける王女のためのパヴァーヌ」を室内楽として聞く。
 クイント・マガニーニによるフルートとハープによるヴァージョンで。 
 演奏は、WOLFGANG SCHULZ、MARGHY-ANNA SüSS。
 CDは、グラモフォン。
 管弦楽の方が膨らみがあっていいかなあと言う感じだ。
 CDに、ドビュッシーの「ビリチスの歌」が収録されている。
 語りをカトリーヌ・ドヌーブがやっている。
 ついでに、ちょっと聞いてみた。
    ◇
 ピエール・ルイスに「ビリチスの歌」と言う散文詩集がある。
 はじめに、「ささやかなおの古代恋愛の書は未来の社会のうら若い女性に恭々しく献げられる」とある。
 清純な少女時代、レズビアンの愛の歓び、遊女としてのくらし・・・・。
 角川文庫から、鈴木信太郎訳で出ていた。
 緑のインクで印刷されている。


“逝ける王女のためのパヴァーヌ”1

2024-10-05 | 【断想】音楽

 モーリス・ラヴェル作曲の「逝ける王女のためのパヴァーヌ」を聞く。
 この曲は、もともとは、ピアノ作品としてして作られた。
 そして、後に管弦楽化され、人気を博した。
 美しくゆったりした優雅な曲である。
 まずはじめに、ピエール・ブーレーズ指揮、クリーブランド管弦楽団で。
 CDは、SONY。
 次に、アンドレ・クリュイタンス指揮、パリ音楽院管弦楽団で。
 CDは、EMI。
 ブーレーズ指揮の方が、音がクリアである。
 澄み切った美しさを感じる。
 比較すると、クリュイタンス指揮の音はぼんやりしている。
 その分、膨らみがあるとも言えるが。
 どちらも、いい。