“CAT WALK : キャット・ウォーク”

2022-01-23 | 【断想】音楽

 ホレス・パーランの“WADIN':ウェイディン”を聞いたせいだ。
 「歩く」と言うことで思い浮かんだ。
 マル・ウォルドロンの“CAT WALK : キャット・ウォーク”。
 1959年の「レフト・アローン」(BETHLEHEM)にある。
 これもベースの音ではじまり、ピアノが寄り添ってくる。
 これには、ホーンは入ってこない。
 スウィンギーで好きな曲だ。
 一人歩きだね。


“WADIN':ウェイディン”

2022-01-23 | 【断想】音楽

 WAIDEN' = WADING : wadeから。
 辞書を引いた。
 wade:(水の中を)歩く。(川などを)歩いて渡る。
 wading poolとなると、公園などの水遊び用のプール。
 先日、ホレス・パーランがピアノを弾くトリオに、ジョー・バン・エンクハウゼンのテナー・サックスが加わった演奏で、“WADIN':ウェイディン”を聞いた。
 夜道を歩く感じでとてもいいとの感想を書いたが、言葉の意味からいったら、水浸しのところを歩くと言うことになる。
 そう言うところを歩くとなると、ゆっくり、慎重にとなる。
 さて、この曲は、ホレス・パーラン自身の作、アルバム「アス・スリー」や「スピーキン・マイ・ピース」にも収められている。
 「スピーキン・マイ・ピース」では、アルバムのトップにこの曲がある。
 これを聞く。
 ジョージ・タッカーの低く響くベースではじまる。
 それはまさに歩む音。
 そこに、パーランのピアノが乗っかる。
 〈気をつけて行こうぜ〉
 アル・ヘアウッドのドラムが、リズムをきざむ。
 スタンリー・タレンタインのテナー・サックスがソロをとる。
 トミー・タレンタインのトランペットが続く。
 ・・・そして、みんなで、ジャブジャブ、水を撥ねながら。
 〈あまりカッコよくはいかないが、泥道の行進だ!〉 


“ブルース・イン・タイム”

2022-01-23 | 【断想】音楽

 ジェリー・マリガンとポール・デスモンドの「ブルース・イン・タイム」(1957 Verve)。
 ウエスト・コーストの香りただよう、いささか大人しげなジャズと言えるか。
 息せき切った激しさはないが、二人のホーンがいきいきしていて、さすがと思わせる。
 ジェリー・マリガンのゴージャスで豊かな音、ポール・デスモンドのさわやかな都会的な音が素晴らしい。
 久し振りに、この二人の音を聞いて、こんなによかったかなと感じた次第だ。
 二人の息は合い、美しい仕上がり。
 ジェリー・マリガン(bs)
 ポール・デスモンド(as)
 ジョー・ベンヤミン(b)
 デイブ・ベイリー(ds)
 演奏は以上の4人、ピアノ・レスである。 
 曲目は以下の7つ。
 1.ブルース・イン・タイム
 2.ボディ&ソウル:身も心も
 3.スタンド・スティル
 4.ライン・フォー・リヨン
 5.ウィンターソング
 6.バトル・フム・オブ・ザ・パブリカン
 7.フォール・アウト


〈スイート・ベイジル・ライブ〉

2022-01-23 | 【断想】音楽

 前から気になっていたCD。
 マル・ウォルドロンの「ERIC DOLPHY & BOOKER LITTLE REMEMBERED LIVE AT SWEET BASIL」(1986 KING)。
 エリック・ドルフィーとブッカー・リトルの1961年のファイブ・スポットでの白熱の演奏を偲んでつくられたアルバム。
 ニューヨーク、スイート・ベイジルでのライブである。
 リズム・セクションは、往時と同じメンバーで、ピアノのマル・ウォルドロン、ベースのリチャード・デイビス、ドラムスのエド・ブラックウェルの三人。
 そして、ブッカー・リトルにかわりトランペットを吹くのはテレス・ブランチャード、エリック・ドルフィーにかわりアルト・サックス、バス・クラリネットを奏するのはドナルド・ハリソンである
 気迫のこもった演奏になっている。
 マルのピアノもずしりと重い。
 演奏されたのは3曲。
 1.ザ・プロフェット ※ドルフィー
 2.アグレッション ※リトル
 3.ブッカーズ・ワルツ ※ドルフィー
 もととなった3曲、「ブッカーズ・ワルツ」は、「AT THE FIVE SPOT vol.1,vol.2」ではなく、「ERIC DOLPHY MEMORIAL ALBUM / RECORDED LIVE THE FIVE SPOT」(1961 PRESTIGE)に収められている。
 スイングジャーナル誌で、ゴールド・ディスクに選定されているアルバムである。
 ジャケットの写真も、ファイブ・スポットの時を思い起こすものとなっている。


“ムーヴィン&グルーヴィン”

2022-01-23 | 【断想】音楽

 ホレス・パーランが、1060年から1963年の間に、ブルーノートにのこした7枚のアルバム。
  1.ムーヴィン・アンド・グルーヴィン(1960.2)※
 2.アス・スリー(1960.4.20)※
 3.スピーキン・マイ・ピース(1960.7.14)※
 4.ヘディン・サウス(1960.12.6)※
 5.オン・ザ・スパー・オブ・ザ・モーメント(1961.3.18)※
 6.アップ・アンド・ダウン:UP&DOWN(1961.6.18)※
 7.ハッピー・フレイム・オブ・マインド(1963)
 きっと、そのグルーヴィーなところが気に入ったのだろう。
 ホレス・パーランのCDを棚に何枚も並べるにいたっている。
 この中の「ムーヴィン・アンド・グルーヴィン:MOVIN'&GROOVIN'」を聞く。
 これは、本格的な初リーダー盤で、演奏は、以下の三人。
 ホレス・パーラン(p)
 サム・ジョーンズ(b)
 アル・ヘアウッド(ds)    
 収録曲は、以下の8曲。
 1.C.ジャム・ブルース
 2.オン・グリーン・ドルフィン・ストリート
 3.アップ・イン・シンシアズ・ルーム
 4.レディー・バード
 5.バグス・グルーヴ
 6.星影のステラ
 7.ゼア・イズ・ノー・ゲレイター・ラヴ
 8.イット・クッド・ハブン・トゥ・ユー
 よく知られた曲がならぶ。
 ホレス・パーランは、いつもながら、スウィンギーなジャズを愉しませてくれる。
 彼がリーダーのアルバムは、どれもベースが重く響き、演奏にはっきりとした土台を築いているように思う。奏者が違っていても、そうである。
 それが、スウィンギーな魅力をつくっている。
 ハード・バップで、ファンキーでとなる。