枝のうえの縞蛇

2009-05-10 | 【断想】蛇
 住んでいるマンションの入り口付近で、繁みに素早く逃げ込む蛇を見つけた。
 たまたまカメラを手にしていたので、撮ってやろうと思った。
 繁みの中の地表を横から眺めたが見つからない。
 それで、そこの躑躅の木を上から見おろしたら、枝のうえにいた。
 躰に縞模様があり、たぶん、シマヘビ(縞蛇)といっていいと思う。
 今年になって、外で見かけた二匹目の蛇だ。
 一匹目は、程久保川でのアオダイショウ(青大将)だった。

プロペラ・ツリー

2009-05-10 | 【樹木】楓
 イロハカエデに虹色のプロペラ。
 それは、可能性のプロペラ。
 昨日の夕刻、空に虹を見たことを思い出した。
 イタヤカエデのしたに薄緑のプロペラが散乱していた。
 遠く飛ぶことのなかったプロペラ。
 空を見て、「もう帰ろうか」と思った。

「雪のむら消え」

2009-05-10 | 【断想】ETC
 「新古今和歌集雑歌」撰
 ●山陰やさらでは庭に跡もなし春ぞ来にける雪のむら消え(藤原有家)
  春が来た。
  山陰の雪は、消えだして、まだら模様になっている。
  そういうことだから、庭の雪はもう跡かたもない。
  歌の意味としては、こういうところか。
  歌の語句を並べ替えてみる。
  春ぞ来にける
  山陰や 雪のむら消え
  さらでは
  庭に 雪の跡もなし
  作り直してみた。
  山陰の雪はむら消えさはなりて庭に跡なし春ぞ来にける

「涙のつらら」

2009-05-10 | 【断想】ETC
 新古今和歌集から、歌をとりあげ、自分なりの解釈、感想を、折々記していこうかと思う。とりあえず、雑歌あたりからと思う。雑歌は、上(巻第十六)、中(巻第十七)、下(巻第十八)で成っている。全部で300余の歌が収められている。
●年暮れし涙のつららとけにけり苔の袖にも春やたつらむ(藤原俊成)
 一年が過ぎゆくを悲しみ惜しみ、涙を流した。
 その涙はつららのごとくであったが、つららが溶けだした。
 僧衣の袖にも春の到来が感じられるようになるのか。
 このような意味の歌のようである。
 「苔の袖」とは、僧衣の袖のことだそうだ。
 俊成の出家後の歌である。
 それはそれとして、苔にうえにも春風が吹くくらいに解してもいいのかも知れない。
 ただ、年が暮れゆくことに涙するなんて大袈裟でないか。
 しかも、それが「つらら」とはおそれいる。
 全体に、しっくりこない歌だ。
 一首つくってみた。
 年明けて岩の氷も溶けにけり苔のうえにも春風の吹く