三鷹「デュフィ展」

2009-05-07 | 【断想】ETC
 昨日、楠の立派な並木道を通って、三鷹市美術ギャラリーに出かけた。
 そこで、ラウル・デュフィ展を見た。
 空いていて、ゆっくり見ることができた。
 思いがけず、いい時を過ごした。
 デュフィの絵全体から、受けるのは明るさだ。
 明るいが、軽くはない。洗練されている。青色がいい。好きだ。
 倉橋由美子の「幻想絵画館」に、デュフィの「黒い貨物船」という絵が取り上げられている。絵の中に、大きな煙を吐いた黒い船が描かれている。それは、死を暗示していると・・・。
 「しかしやがて水平線の上に現れたのは不吉な暗雲に似た黒の塊だった。空と海はあくまでも明るくて輝いてゐるのに、この黒は死の色をしてゐる。それは最初から船とは思へないものだった。港に帰ってくる船といふものがもつてゐるある種の希望や期待とはおよそ無縁の形をしている。といふよりも船の形はその黒い色の中に塗りこめられてゐるのである。」
 「これは喜びの帰還ではない。港に帰ってくるのは死、近づいてくる黒い船は棺、・・・・」
 三鷹での展覧会には、その絵はなかったが、あの青い色には、死が沈んでいるとも感じられた。

マロニエの末裔

2009-05-07 | 【樹木】ETC
 三鷹で、「デュフィ展」を見た帰り、ベニバナトチノキの並木道を通った。
 デュフィはフランスの画家である。
 フランスといえばパリ、パリの並木というとマロニエ。
 マロニエと言うのは、セイヨウトチノキのこと。
 このヨーロッパ原産のセイヨウトチノキと北アメリカ原産のアカバナアメリカトチノキの交配種がベニバナトチノキ(紅花栃の木)である。
 並木のベニバナトチノキはちょうど花期を迎えていた。