《プロ野球ドラフト会議》が10月11日に行われた。各球団のドラフトを監督や球団幹部の手応えを含めて勝手に採点してみる。
まずは【パ・リーグ】。
○オリックス・・・ 福良GMは「本当に満足のいくドラフトができた。(椋木投手は)先発、後ろの両にらみ。野手の層を厚くしたいというのがあった。(高校生の指名は1人で)まさか(大阪桐蔭の)池田くんがあそこ(5位)まで残っているとは」とのこと。ここに来て、高校生を中心にしたドラフトで成功を収めていたが常勝軍団を目指した即戦力に移行したドラフト。東北福祉大の即戦力右腕、椋木蓮を1位で単独指名し、社会人投手を2人指名、野手も即戦力を軸にして内野手、捕手、外野手2人の4人を指名するなど来季の補強ポイントを即戦力でまとめた。椋木と社会人投手に期待がかかる。
○ロッテ・・・井口監督は「シミュレーション以上です。100点満点以上のドラフトだったと思います。2位池田君はDeNA牧のようなイメージ。二塁も三塁もいけると思う。広畑君も、我々はドラフト1位(候補)で考えていたので、3位で取れたのは非常に良かった。突っ走っているチームが来季上積みが必要な部分を補強した」と分析。捕手を獲りたいのはわかるが、市和歌山の松川虎生捕手なら1位でなくても獲れたのではないか。どちらかというと、野手を厚くした指名。松川はソフトバンクOBが多い球団として、城島のようなイメージか。2位の国士舘大・池田来翔内野手は打てる内野手ということで“ポスト中村奨吾”を担える選手。三菱自動車倉敷のパワーピッチャーである廣畑敦也が3位で残っていたのはラッキーだった。ただ個人的には即戦力の左投手が必要だったのでは・・・。
○楽天・・・石井GM兼監督は「今年も141点です。上位で今後を担っていける選手、下位の方では1軍の方でチャンスをうかがえる選手を指名できた。野手がすごく少ないので、振れ幅が振れてしまうところもあった。投手と野手のバランスが難しいドラフトでした」とのこと。正直、1位の昌平(埼玉)の吉野創士外野手には驚いた。ロッテの松川同様、1位出なくても獲れたのではないか。ただここに将来有望な長距離打者を獲得したいという球団の意図は見える。2位の安田悠馬捕手(愛知大)、3位の前田銀治外野手(三島南)と、右・左・右で並べている。安田は打撃がいいので野手として育てるのかも・・・。下位指名ながらも大学・社会人投手3人を指名し、バランスもとれているが、右打者がもう二人ぐらい指名できれば良かったかな。
○ソフトバンク・・・ 王球団会長は「望んでいた通り、風間君の交渉権が取れて、その後の指名も狙い通り。今年は久々に満点と言える結果になったんじゃないかな。大いに期待が持てる選手たちだし、入団後はチームに良い緊張感と活力をもたらしてくれるといいね」とのこと。“高校BIG3“のノースアジア大明桜の風間球打投手を1本釣り、2位で慶応大のリーグ通算10本塁打の右スラッガー、正木智也外野手、3位では、甲子園で存在感を示した北海高の左腕、木村大成を指名した。ソフトバンクは1位、3位で将来性を買った左右の高校生投手に、2位で、長距離砲で対応力もある右打者の正木を指名した。どちらかというと選手層に余裕があるからこその構成。そしてなんといっても、育成で14人指名。そのうち、ソフトバンクのドラフトは支配下3人、育成で15人ぐらいの指名をするのでは・・・。
○西武 ・・・辻監督は「本当に1年間を通して選手たちを見てくれたスカウトの方々の評価で指名させてもらいました。十分満足しています。うちの球団としての評価をしていた選手が、上位で多数取れたのはうれしいことです。100点満点ということでお願いします」とのこと。辻監督も留任するようだし、内容は12球団一のような気がする。左腕が補強ポイントのところ、1位で西日本工大・隅田知一郎投手をクジで引き当て、はまったときのストレートが150㌔を超えてくる左腕の筑波大・佐藤隼輔投手を指名、さらに3位で森友哉に依存している捕手強化に大学ナンバーワン捕手の中央大、古賀悠斗を指名できた。また巨漢の長距離砲の育成に定評がある西武らしく6位で白鴎大の190センチの大型ショート、中山誠吾も・・・。それに将来性のある八王子高・羽田慎之介投手が4位、八戸工大一高の黒田将矢投手も将来、クローザーにもなり得る存在らしい。
○日本ハム・・・栗山監督は「チームを何とかしないといけない状況というのがあるので、たくさんの選手たちを指名できたのは、ありがたいこと。今回に関しては上位で評価していた人が、下の方で取れたところもあるので、バランス的には、すごく良かった」とのこと。栗山監督も今年で終わりだろうが、球団に残るのだろうか。まぁそれはいいとして、育成を感じるドラフトだった。1位指名の天理の達孝太投手は僕も大化けする可能性があると思っている右腕。ダルビッシュ、大谷を育てた日本ハムなら面白い。2位の有薗直輝内野手らをはじめ、高校生は世代のトップクラスのメンバーがズラリと並び、近い将来が楽しみな指名となった。唯一大学生指名の長谷川威展(金沢学院大)投手は変則左腕、宮西2世を目指す。
続いて【セ・リーグ】。
○ヤクルト・・・高津監督は「最初のくじは当てられなかったが、左投手に野手、高校生野手、投手とバランスよく指名ができた。予定通り。上位3人は大学、社会人。4、5位は鍛えて、大きく成長させていかないといけない。勝てるチーム、選手に育っていってほしい」とのこと。隅田を抽選で外したが、法大の山下輝投手の交渉権を獲得したのは大きい。明大の俊足&強肩の左の外野手、丸山和郁が2位指名というのはちょっと驚いたが、青木の後釜か。3位柴田大地(日本通運)投手は即戦力のリリーバー、4位の享栄高の竹山日向投手は素材のいい右腕でうまく育っていければおもしろい。全体的にバランスの取れたドラフト。
○阪神・・・矢野監督「ビッグ3の森木が残っていたというのが本当に大きい。(投手は右2人、左2人を指名について)森木が残っていた流れからトータル、左を補強できてとか、岡留もとれてとか、全体的な流れがすごく良かったかなと思っている」とのこと。やはり、高知高・森木大智投手を獲得できたことが大きい。僕のイメージも藤川の感じ。即戦力は小園も長い目で見るならば、森木の方が上かも・・・。2、3、5位は即戦力投手で固めた。2位の創価大の左腕、鈴木勇斗、3位の新潟医療福祉大の左腕、桐敷拓馬は評価の高かった投手。4位では甲子園組で地元関西の智弁学園の前川右京外野手、7位でも甲子園組の京都国際高の中川勇斗捕手を指名したのは評価できる。
○巨人・・・原監督は「投手中心になったが非常にバランスのとれたいいドラフト。90点以上ですね。上位3人は先発ローテーションを目指して十分戦える。そのつもりでジャイアンツの門をたたいてもらいたい。4位から7位も非常に魅力ある選手たちが残ってくれていた」とのこと。関西国際大の右腕・翁田大勢投手の交渉権を獲得した。最速157㌔を記録した右腕は先発でも救援でも適応能力はありそうだ。2位はJR東日本の左腕、山田龍聖、3位はコントロールが武器の日大の右腕、赤星優志とバラエティ豊かな即戦力で上位3人を揃えた。4位で原監督の母校、東海大相模の甲子園優勝投手である左腕、石田隼都を抑えた。支配下では7人中、投手が6人と狙いは明確だったが、野手はFAで獲るつもりなのだろうか。ソフトバンク同様、育成で10人指名。球団で育てようという意識は感じる。
○広島・・・佐々岡監督「(抽選で)2人を外しても、評価が高かった2人を取れた。大砲2人を取れたのも大きい。(即戦力5人指名で)競争意識が高まる。同じ年代、ポジションの選手は負けられないと思っているだろう。(背番号で末広がりの)88点にしておこう」とのこと。佐々岡監督は続投なのだろうか。まぁそれはいいとして、正直、隅田、山下と2度外したのは痛い。関学の黒原拓未、三菱重工Westの森翔平の即戦力左腕2人指名したが、彼らが勝利方程式を形成できるランクにあるかどうかは見てみないとわからない。3位のトヨタ自動車・中村健人外野手についてはポスト鈴木誠也的存在か。4位の愛工大名電・田村俊介投手、7位の県岐阜商・高木翔斗捕手もどう育成されていくか。僕個人的には、高木は期待しているが、広島は若い捕手がいるからなぁ。
○中日・・・与田監督は「将来的にも長打力のある野手をそろえました。投手をもう1人とも考えましたが、100点満点じゃないですかね。理想通りのドラフトができました。編成の方たちが時間をかけて、探してくれた選手を指名ができました」とのこと。与田監督の本音は、来年以降は“もう知らない”だろうが、球団の意図が色濃く見えたドラフトだった。1位指名の上武大のブライト健太外野手をはじめとして6人中5人が野手。来年勝負の戦略型の典型となった。3位で独立リーグ系では三振奪取率の高い快速リリーバーとして評判の火の国サラマンダーズの石森大誠を指名しているが”偏向ドラフト。上武大・ブライト健太外野手、駒大・鵜飼航丞外野手、福元悠真外野手とパワーヒッターが並んだが、果たして彼らがプロの世界で活躍できるかは未知数。打者のドラフトは難しい。僕はまだ岡林、土田、根尾、石川の方が上だと思っているのだが・・・。
○DeNA・・・三原一晃球団代表「監督が1位を引き当ててくれ、思い通りといっていいドラフトができた。高校生投手、大学生投手で評価が一番高かった選手が指名できた。野手も内野と外野で評価の高い選手が取れた。非常にバランスがいい。100点でいいので」とのこと。1本釣りの戦略を続けていた横浜DeNAが今年は競合覚悟で小園を指名しクジを引き当てた。横浜DeNAは先発に左腕は揃っているチームで右腕が足りない。そこに2位で早大の徳山壮磨、4位で法大の三浦銀二の大学生右腕2枚を指名して補った。できれば、即戦力の捕手が必要だったと思うのだが、今年頑張っている23歳山本祐大捕手に東妻純平捕手、益子京右捕手といった期待の若手もいるので、今年は大丈夫となったのだろう。
僕のドラフト順位は1位西武、2位DeNA、3位日本ハム、4位ヤクルト、5位オリックス、6位阪神、7位ソフトバンク、8位巨人、9位ロッテ、10位中日、11位楽天、12位広島
明日の予想。まずは東京メイン【府中牝馬S】は13番マジックキャッスル。人気だが、小回りから府中に替わるのは間違いなくいい。小柄な馬で54㌔もいいし、鞍上との相性もいい。相手は2,4,7,15,16,17番。阪神メイン【太秦S】は8番メイショウダジン。前走の交流GⅡはよく走っている。伸び盛りの4歳馬でここは空き巣狙い。相手は1,2,6,7,10,13番。新潟メイン【下越S】は15番ガンケン。使い詰めでここが勝負の鞍だろう。新潟1200mとの相性もいいし、全力投球のはず。相手は1,3,5,8,9,14番。
今週の一口馬は2頭。明後日の新潟5R【2歳新馬】(1200m芝)にアルドゥエンナが出走する。オーソリティの半妹で血統的に期待しているが、出来はいまひとつトーンがあがらない。血統的に人気になりそうだが、僕としては今後につながる競馬をしてほしいというのが本音。もう一頭は同じく明後日の阪神7R【3歳上2勝クラス】(1800mダ)にアースライザーが出走する。同日の新潟12R【菅名岳特別】(1800mダート)と来週の新潟【鳥屋野特別】(1800mダート・ハンデ)と比較し、10頭たてのここを選択。勝ち負けは厳しそうだが、陣営のちょっとした賞金稼ぎに好感を持っている。