まずは《ワールドシリーズ》。今日の第6戦でアストロズが4-1でフィリーズに勝利し、17年以来5年ぶり2度目のワールドチャンピオンに輝いた。MVPは、新人遊撃手のペーニャがリーグ優勝シリーズに続いて獲得した。6試合で25打数10安打3打点、2試合で勝利打点を挙げてチームをけん引した。ペーニャは1997年のマーリンズのフェルナンデス投手以来、史上3人目のルーキーでのMVP受賞となった。現役最年長73歳のダスティ・ベーカー監督にとって、それまで通算2093勝は、WS優勝がない指揮官としてはメジャー最多記録だった。5球団を率いてPS進出12度、地区優勝9度、リーグ優勝8度を誇りながら、頂点にだけは縁が無かった。特にPSの第6戦は、同監督にとって鬼門だった。2002年のWSは新庄剛志やバリー・ボンズを擁して3勝2敗と王手をかけ、7回まで5―0とリードしながら5―6で逆転負け。カブスを率いた03年リーグ優勝決定シリーズでは、やはり王手をかけて7回まで3点リードも、男性ファンがファウルボールの捕球を邪魔する通称“バートマンの悲劇”もあり、3―8で逆転負け。現在のアストロズを指揮した昨年も、WS第6戦で0―7と完敗し、敗退していた。ベーカー監督おめでとう!
《第54回全日本大学駅伝》は駒沢大(駒大)が3連覇を達成。記録は5時間6分47秒で、駒大が2年前の第52回大会でマークした5時間11分8秒の大会記録を大幅に更新した。 全国8地区の代表25校と日本学連選抜、東海学連選抜の計27チームで争われた日本一決定戦を圧倒的な強さで制し、最多15度目の優勝(2位は日体大の11度)。《出雲》、《全日本》に続く来年1月の《箱根駅伝》で、史上5校目となる「3冠」に大きく前進した。3分21秒差の2位に国学院大、3位に青学大、4位に順大が続いた。5位に創価大、6位に早大、7位に中大、8位に東洋大。上位8チームが来年のシード権を獲得した。大会MVPには駒大の田沢廉(4年・青森山田)が3年連続で選ばれた。駒大はこの日《出雲》最終6区で区間賞の鈴木芽吹(3年)が欠場しており、それでいて大会記録の快勝。鈴木の加入を考えると《箱根》ではさらなる上積みも予想される。尚、3冠を成し遂げたのは過去に4校のみ(大東大・1990年度、順大・2000年度、早大・2010年度、青学大・2016年度)。駒大は過去2回、《出雲》と《全日本》を制して「王手」をかけたが、《箱根》で敗れている。
ゴルフの話。米国女子ツアー唯一の日本大会《TOTOジャパンクラシック》最終日。トップと1打差で出た29歳ジェマ・ドライバーグ(スコットランド)が7バーディ・ボギーなしの「65」をマーク。トータル20アンダーで逆転し、米ツアー初優勝を果たした。トータル16アンダー・2位に永井花奈。トータル15アンダー・3位にリングラント(スウェーデン)、トータル13アンダー・4位に西村優菜が入った。前回大会覇者の古江彩佳は3つ伸ばし、トータル12アンダー・5位タイ。単独トップで出た上田桃子も同順位でフィニッシュした。渋野日向子は4バーディ・5ボギーの「73」。トータル1オーバー・64位タイで4日間を終えた。ドライバーグは隙のない強さだった。こんな選手が今まで未勝利でいるんだから米ツアーは凄い。上田は以前のような集中力が無くなっている。昔は、狙った獲物は確実に仕留めていたのだが…残念。
国内男子ツアー《マイナビABCチャンピオンシップ》最終日。1打差2位から出た堀川未来夢が6バーディ、1ボギーの「67」で回り、通算17アンダーとして、8月《日本プロ》に続く今季2勝目を挙げた。ツアー通算4勝目。2打差5位から出た河本力は「68」で、出水田大二郎、岩田寛と並んで通算15アンダー2位だった。池村寛世が通算14アンダー5位。首位で出た稲森佑貴は「72」で伸ばせず、通算13アンダー6位に終わった。賞金ランキングトップを走る比嘉一貴は、通算8アンダーで小平智らと並んで24位。ツアー史上初のアマチュア2勝を挙げてプロ転向した蝉川泰果は5バーディ、2ボギーの「69」と3つ伸ばして35位から通算7アンダー28位に順位を上げてプロデビュー戦を終えた。Mr.フェアウェイの稲森を応援していたが、堀川もどちらかというと飛距離の出ない方。堀川が勝つときってコースマネージメントが嵌った時。今回もその点は見事だった。
競馬の話題。昨日書けなかったが、JRAの柴田善臣が昨日、福島競馬場の第1レースでビルカールに騎乗して1着となり、JRA最年長勝利記録を56歳3カ月7日に塗り替えた。通算2943勝の岡部幸雄が2005年1月に記録した56歳2カ月24日を更新した。天晴れ!
今日の重賞を振り返る。東京11Rで行われた【第60回アルゼンチン共和国杯】は、田辺裕信の6番人気ブレークアップ(牡4歳・黒岩陽一厩舎)が道中は3番手を追走すると、直線で一気に抜け出し先頭でゴール。【ジャパンC】や【有馬記念】につながる伝統の長距離ハンデ戦で、重賞初制覇を果たした。タイムは2分31秒1。1馬身1/4差の2着には内めを突いて伸びた武豊のハーツイストワール(5番人気)、さらにクビ差遅れた3着に僕本命のヒートオンビート(3番人気)が入った。なお、1番人気のテーオーロイヤルは6着に敗れた。
勝ったブレークアップは成長しているとはいえ、ここで勝ち負けまでは荷が重いと思っていたが…。まぁ直線でのアクシデントをリズム良く追い出せたのも良かった。2着ハーツイストワールは直線で1度外に出そうとする中で不利を受けた。それでも立て直し、しぶとく脚を伸ばしたのは立派。この馬はやはり左回りは走る。3着ヒートオンビートは57㌔ながら良く頑張っている。力はこのメンバーでは明らかに上位である。
ブレークアップは、父ノヴェリスト、母リトルジュン(母父クロフネ)という血統。北海道浦河町・谷川牧場の生産馬で、馬主は阿部東亜子氏。通算成績は17戦5勝。重賞は初制覇。【アルゼンチン共和国杯】は黒岩陽一調教師、田辺裕信ともに初勝利。
阪神11Rで行われた【第12回みやこS】は、幸英明の11番人気サンライズホープ(牡5歳・羽月友彦厩舎)が直線で鋭く伸びてV。昨年の【シリウスS】に続く2度目の重賞勝ちを飾り、【チャンピオンズカップ】の優先出走権を獲得した。タイムは1分51秒6。アタマ差の2着は馬群の中から伸びたハギノアレグリアス(2番人気)。さらにクビ差の3着に最後方から追い込んだ1番人気のオメガパフュームが入った。
勝ったサンライズホープだが、正直ノーマークだった。これまで前に行ってもう一つのレースが続いていたが、今日はたまたま行き脚がつかなかったのが、結果的にいい方に出た。勝つときとはこんなものなのか。ただ重賞を勝つのだから力はある。今後この競馬ができれば軽視できない。2着ハギノアレグリアスは負けて強しの競馬。直線で間を割るのを躊躇していて、結果的に仕掛け遅れてしまった。福永の珍しいミス。3着オメガパフュームは展開的にこれが精一杯だろう。まぁ最後の脚をみるとやはり強い。この競馬ができれば中央でも勝てるのでは…。
サンライズホープは、父マジェスティックウォリアー、母オーパスクイーン(母父スペシャルウィーク)という血統。北海道日高町・ヤナガワ牧場の生産馬で、馬主は松岡隆雄氏。通算成績は20戦7勝。重賞は2021年【シリウスS】に次いで2勝目。【みやこS】は羽月友彦調教師は14年のインカンテーション、幸英明は19年のヴェンジェンス以来ともに2勝目となった。