風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「花戦さ」

2018-12-16 | 映画・芝居・TV


劇場公開の際に見たかったが、
見逃してしまった作品をレンタルDVDで。
今の時代は便利だねぇ。

野村萬斎さん、市川猿之助さんという
狂言と歌舞伎の第一人者が共演しただけではなく
その他にも中井貴一さんや佐々木蔵之介さん、
高梁克実さん、吉田栄作さん、竹下景子さんなど
実力派俳優が勢ぞろいのこの映画。
中でも出色は佐藤浩市さんの千利休役。
秀吉の極度なコンプレックスによって切腹させられた
その葛藤と複雑な思いを見事に演じていた。
「なるほど、史実をそう解釈したのか」
と思わせる描き方のも納得。

テーマは「多様性」。
金は金なりに、黒は黒なりに美しい。
花も、そして人も同様。
それぞれひとりひとりの人間に価値があり、
優劣はつけられない。
価値観や美意識にも個人ごとの違いがあっていい。
ダイバーシティを標榜することが多い現代だが
実際にはその逆方向に向かっている気がしてならない。
それもチクリと風刺しているのだとしたら賛同。
いい映画だったな。
ぜひトランプさんやシンゾーさんにも見せたいものだ。

華道家元池坊が全面的に協力しただけではなく
3千家も協力とのこと。
素晴らしい。
コメント
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