風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

自然神への感謝と畏怖

2018-12-09 | 生活の風景




収穫を終えたあとの、冬枯れのリンゴ畑にて。
農家の方々が収穫する時、
必ず実を1個だけ木に残すのだという。
リンゴだけではなく、柿もそうすると聞いた。
今年の実りに対する神への感謝の供物なのかも知れない。
もちろん野鳥がそれに群がるのを
農家の方々はニコニコと眺めることになるのだが。

日本は八百万の神がいる国とされる。
宗教法人上の神道でもたくさんの神様を祀るが、
それとは別に、空にも、海にも、山にも、
草木や動物、道端の石ころにすら神様は存在する。
想像だが、これが原始神道の姿なのではないか?
それらの自然神に人格を比定し、
時には権力者とも結びつけてきたのが現代神道。
それでもまだまだ
地方の素朴な暮らしの中には原始的信仰が残っている。
以前アメリカの方に
「日本にはたくさんの『Gods』がいる」
と言ったら、彼から
「Godは唯一の存在なので複数はあり得ない。
日本の神様はNatureかSpiritsだろう」
と言われたことがある。
確かにその方が意味的にもしっくりくる。

山の神は春になると山から降りてきて豊穣を司り、
収穫が終わると山に帰っていくのだという。
そろそろ山の神が山へ帰っていく季節。
コメント
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