盛岡でロケが行われて話題となった映画を
ようやくDVDで借りてきて鑑賞。
主演の舘ひろしさんはモントリオール国際映画祭にて
この作品で最優秀男優賞を受賞したとのことだ。
「定年退職ってのは生前葬だな」というセリフがある通り、
「終わった人」というのは定年退職後の人のことで、
社会との適応に戸惑ってるのを茶化す内容かと思っていたが、
見終わって、それが「鎧を脱ぎ捨てた人」だと思った。
「実は鎧を脱ぎ捨ててからが本当の人生」と言いたいのではないか?
私が会社を辞めたのは定年退職ではないけれど
鎧を脱ぎ捨てたという意味では同じだし、心情は痛いほどわかった。
ただのおっさんというものは哀しいものだ。
ストーリー的に、この主人公はちょっとステレオタイプ過ぎるけど。
見栄を張る気持は男としてよくわかる。
それを脱ぎ捨ててしまった後の、ちょっと哀しく、ちょっと楽な気持ちも。
鎧を着て社会の中で戦った自分は終わってしまったけれど
身軽な生身の自分になって始める人生はまた別な人生。
だから「終わった人」というタイトルはイジワル過ぎる気がするな。
「これからの人」でもいいんじゃない?
キャッチーではないけれど(笑)
主人公のこれからの人生は案外楽しいと思うのだ。
実際自分がそうだから。