風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

平成の大合併

2006-01-27 | 風屋日記
話題の賞味期限からは大分過ぎたけど、今日はこの話題。

私の住む町も全国の例にもれず、
今年1月1日付で花巻市、東和町、大迫町、石鳥谷町の1市3町が合併。
花巻市でいえば7万人の人口が10万6千人となった。
元々同じ稗貫(ひえぬき)郡だった大迫町、石鳥谷町に
旧花巻市の隣ながらポツンと離れて和賀郡だった東和町が一緒になった形。
高校入試の際の学区も経済権も一緒だったから
あまり違和感はない・・・ってかもっと早くても良かった。
ということで、改めて各地区(旧市、町)の紹介。

花巻地区。
今後も「花巻市」を名乗ることになった合併の中心。
城下町として南部藩の南縁の守りを担ってきた。
当時から県央部の商業都市として発展。
市内に数多くの温泉があることで知られ、
宮沢賢治さんが生まれ育った町としても観光客も多い。
新渡戸稲造の先祖が代々住んでいたことや
高村光太郎が疎開したこと、松本俊介が一時住んだことなど、
賢治さん以外にも文化的な歴史を持つ。
・・・が、やっぱり昔から商人の町だね。
「花巻」と一口に言うけど
昭和20年代の合併前の地域性がいまだに残っていて、
「湯口」「湯本」「笹間」「太田」「宮野目」など
行政区がはっきり分かれていたりする。
米、リンゴなど、県内指折りの農村地帯でもある。

東和地区。
その昔、源義家と戦った安倍貞任伝説が残る、
歴史的な「まほろばの里」。
学者並みの学識を持っていたことで知られる
日独伊三国同盟締結時の海軍大臣だった及川古志郎や
日本のキュビズムを代表するひとりである画家の萬鉄五郎を排出。
穏やかな山間の町で農業も盛んだが、
農水省の減反政策に異議を唱えて「自主減反」の筵旗を上げたり、
中央省庁のキャリア組や大手シンクタンクのリサーチャーを
町職員としてヘッドハンティングするなど、
全国的な話題を呼んだ前町長の小原秀夫氏の存在が大きい。
地に足をつけ、道理を通すのが町の気風。
隣接する花巻の矢沢地区には宮沢賢治記念館や新渡戸記念館があり、
「文化エリア」としての地域構築を期待。

大迫地区。
言わずと知れた霊峰早池峰(はやちね)山のを抱える町。
天然記念物であるハヤチネウスユキソウはエーデルワイスに比される。
鎌倉時代から変わらぬ所作で国の無形文化財第一号となった、
山伏神楽を代表する「早池峰神楽」の本拠地でもあり
登山客や神楽見学客などを迎える観光の町。
ここ十数年の間に町が作ったワイナリーも有名になり、
「エーデルワイン」は一躍ブランドに。
ネーミングのうまさも出色。
「雄大な自然と伝統文化エリア」が似合う。

石鳥谷地区。
知る人ぞ知る伝説のマイスター集団「南部杜氏」の里。
農閑期になると全国の酒蔵へ出稼ぎに行く職人衆団が住む町だ。
その他には葛丸川渓流ぐらいしか見どころのない町だが、
実は養護施設や老人ホームなど公私ともに福祉施設がたくさんある。
もちろん安い土地も豊富(笑)なので、
個人的な考えとして、
賃貸住宅で定年を迎えた都会の方々の
第2の、そして終の住処にどうかなと思っている。
土地は広く安いので家庭菜園なんて規模に留まらない農地が作れるし、
これまた安いゴルフ場も近くにいくつかある。
花巻温泉や台温泉、新湯本温泉も至近だ。
どうかなぁ。

・・・という、魅力が4倍になった「新花巻市」。
全国の皆さん、ねまりにおでんせ(ゆっくりしにいらっしゃい)。
コメント (7)
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