風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

声に出して読みたい方言

2005-08-19 | 風屋日記
ベストセラー「声に出して読みたい日本語」を書いた
明治大学教授齋藤孝先生の「声に出して読みたい方言」(CD付き)にハマっている。
私だけじゃなく、家族全員でCDの取り合いをする程(笑)
長男などはMDに落とし、ヘッドホンで聴きながら通学している。

各種の古典、文芸作品、言い回しなどを色んな地域の方言で朗読しているものだ。
広島弁の「徒然草」からはじまり、博多弁、名古屋弁、津軽弁、鹿児島弁、
沖縄のウチナーグチ、京都弁、土佐弁、秋田弁の「50音」まで。
朗読者もその地域出身の俳優・女優が中心なので、本格的でうまい。

印象としては、博多、名古屋、津軽、鹿児島のことばはリズムが大事で、
音楽に例えるならワールドミュージック的であり、
広島、京都、沖縄、土佐、秋田はイントネーションがメロディーで、
クラシック音楽に近いイメージだということ。
中でも津軽と鹿児島のインパクトはすごい。

津軽弁はいなかっぺいさんが朗読している。
歌舞伎「白波五人男」から「弁天娘女男白波」の
「弁天小僧菊之介づのぁ     我(わ)だ」という間の取り方。
「枕草子」の「春は まンず 朝マがイがべ」というまったりとした口調。
「在郷(ジャゴ)おなごの酔っぱれぇ」の
「人(シト)サ辛口(からぐぢ)叩く(はだぐ)前(メー)に
 奴(ンな)の飯(メス)の蝿(はいぇ)ほろげぇ~」というリズム感。
うまい。うまくて可笑しい。

その直後が籠島弁による「坊ちゃん」(朗読者は失念、俳優さん)
「親譲ィのぼっけもんで、子どン時(とっ)かぁ無茶ばっかしちょっ」
と文字に書くと分かるような気もするけれど、
CDで聴いただけだと何がなんだか全くわからない(笑)
聴きながら笑うしかない。
どことなくハングルのリズムや発音に近い気もするのは気のせいか?

名古屋弁の「雪国」も笑った。
「国境(さきゃー)のなぎゃートンネルを抜けると そこは雪国だったんでいかんワ」

博多弁は小松政夫の「毛布売り」
「この毛布はクサ カシミールっちいいよるんよ
 ほらぁ 触ってみんしゃい、ふかふかしとるバイ」

土佐弁は驚いた。
京都のことばにとても似ていて、高貴な香りすらする。
これは認識を新たにした。

ウチナーグチも鹿児島同様まったくわからないね。
ここで文字にすらできないので、興味のある方はCDを聴くべし。
これまたどことなく、東南アジアやポリネシアのような発音とイントネーションに感じる。

われわれ岩手の人間にとって、一番身近に感じるのは秋田弁。
1字1句すべて理解できる・・・が、これまた文字にはできない。
発音事態が違うから、朗読も「あいうえお」だったんだね。
(斉藤隆介さんの「八郎」も読んでいるけど)

津軽、秋田のことばは(岩手も?)
東北地域以外の人が聞くとロシア語に近い発音やイントネーションに感じるのだろうか。
花巻空港に降りた時の歌だと思うんだけど、ユーミンも歌ってるしね
 ♪ 「盛岡」というその響きが ロシア語みたいだった ♪(「緑の街に舞い降りて」より)

女優の長岡輝子さんは「東北弁はフランス語に近いのよ」と言ってるが・・・。
コメント (4)
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