風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

金比羅講中

2005-08-11 | 風屋日記
毎年8月15日、われわれの神楽は金比羅講中に呼ばれる。
何の変哲もない空き地にポツリと建っている「金比羅」の石碑。
その前に近所の人達が集まり、神楽を奉納するのだ。
かなりの昔(石碑には江戸時代の年号が刻印されている)、
この石碑の周辺の人達が四国の金比羅参りに行ったのだろう。
当時とすれば水盃で今生の別れを交わしての旅、
かなりの覚悟だったのではないか?
ヘタすりゃ、現代スペースシャトルに乗るより大変な旅だったのだろう。
無事帰ってきた人達が、それを記念してこの石碑を建てたものらしい。
そして今、その子孫達が毎年1度集まり神楽を奉納する。
100年以上、何代にもわたって続いてきた行事だ。

当日は夕方に現地入り。
おにぎりやら煮物やら漬け物やら、たくさんのご馳走が用意されている。
聞くと、接待役を毎年持ち回りで努めているとのこと。
ひとしきりご馳走になった後、神楽が始まる。
毎回5~6演目。
もちろん最後は権現舞で締め(写真は権現舞のかしら)、
熊野神社別当による祈祷で終わる。
その後は車座になっての直会。
当日集まってくる人達は、子どもも含め老若男女。
若い人達も代々続く行事に積極的に参加する。
これがこの地域の文化だ。

金比羅講中が終わる頃、花巻には涼しい風が吹きはじめる。



※見に来たい方には場所を教えます・・・が、蚊対策は必須
コメント (2)
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