前日夜から体調を崩した4ヶ月の娘が、今朝がた発熱。
生まれつき体に少し弱いところがあって、すぐにかかりつけの病院へ。
経過観察中だったこともあり、いくつもの検査で慎重に対応してくれた。
幸い、大事はなく、コロナ抗原検査も陰性。
ホッと胸を撫で下ろしかけたところに、
少し気になる所見があるので念のため入院ということに。
娘と付き添いの妻は検査結果が出るまで個室隔離。
やむを得ないけれど…急展開に戸惑う。
突然のことで妻や娘の着替えも洗面用具も、今夜の食事すらない。
おまけにこの雪で、僕と息子は病院から自宅に帰るので精一杯。
自宅周辺の道路は真っ白。もうクルマでは届けてやれない。
一泊くらい仕方ないか…と思ったら、
なんと、連休入りで検査結果は週明け月曜になると。
さらに、娘の点滴治療で水曜くらいまでは退院できそうにないとのこと。
うーん、参ったぜこりゃ。
とりあえずあちこちに連絡して、幸い職員と母の助けを得られ、
僕は今日から在宅勤務ということに。
二週間前から感染拡大を危惧して全面オンライン授業にしておいたのが、
個人的にも吉と出た。
こういう事態に備えて教材もすべてクラウドに置いてあるので、
どこからだって授業はできる。
在宅でも穴を開けなくて済む。
どのみち娘の検査結果が確定するまでは、僕も息子も濃厚接触者「疑い」だ。
トボケてノコノコ出勤するわけにもいかない。
思えば、一昨年春の一斉休校で、
準備もそこそこの見切り発車ながらオンライン授業を始めて、
ノウハウを積んでおいて本当によかった。
しばらく空いたけれど、今年に入って生徒や職員の「濃厚接触」があって、
すぐにオンライン切替を決断できたのはこの経験によるところが大きい。
入試真っ盛りの時期にこの措置は勇気がいるけれど、
感染者が出てからではいかにも遅い。
行政の蔓延防止ナントカにも大手同業他社にも先駆けて、
即決断・即対応したことで教室の理性を示せたし、
その後の経過を見ても正解だった。
こういうときはチキンに限る。
しかし、娘の小さな身体に点滴の針が刺さり、
やれ酸素飽和度が…なんて話を聞くと、いたたまれなくなる。
いまのところ大事には至らない見込みだが、どうか元気に帰ってきてほしい。
不謹慎との誹りを受けるかもしれないが、身勝手な感慨を書く。
医師の説明に不思議な既視感があったことを。
娘の不調の箇所は、程度の差こそあれ、
2年前に亡くなった愛犬アズキとまったく同じで、妙に胸に迫るものがあった。
安直なのは百も承知でいうが、僕はアズキを娘のように可愛がっていたし、
亡くなる前にアズキに繰り返した、
必ず人間の身体を得て生まれ変わってこいよ、
との僕の願いに近い命令を忠実に守ってきたのでは、とさえ思われた。
あまりに急いで戻ってきたために、
昔の身体の不調を持ち越してしまったのかと。
それなら今度こそしっかり治してやりたい。
こんな非科学的なファンタジー、僕らしくもない。
さすがに少なからず動転しているのか。
生まれ変わりであるならこんなに胸を打つこともないけれど、
実のところはどちらでもいい。
どっちにしたって僕は娘を愛している。
ただただ、元気になって帰ってきてほしい。
さあ息子よ、男同士の一週間が始まるぞ。
パパはおセンチな自分に気合を入れたところだ。
とりあえずオムツを履いてくれ、たのむ。
あーっ!飲み物入れたコップを投げるんじゃなぁぁぁっっ……