いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

ケーブルが運ぶノスタルジー

2009-01-19 20:43:53 | 新・いぶたろう日記
我が家に、ケーブルテレビを引いてみた。
するとどうでしょう。
テレビなど見向きもしなかったわたくしが、
仕事から帰ってきたら、すぐテレビの前に座るのです。
休日なんて朝から晩までかじりついているではありませんか。

いや~~、おもしろい。

誰が見るんだ?と思うようなのから、
これだこれ、というものまで。
趣味に徹したチャンネルがひたすら並んで、
中からお好きにどうぞ、というのはいいね。

そんで私は何を見ているかといえば。

時代劇専門チャンネル(笑)

これが、いい。
実にいい。
2009年に入り、こっぴどく汚された必殺から目を背け、
ケーブルで放送される25年前の映像に釘付けになっております。
日本のドラマは薄っぺらくて見る気しないんだけど、
昔の時代劇は別ね。
本物の役者の演技には鳥肌立つよ。

あとはディスカバリーチャンネルとか、ヒストリーチャンネルとか。
アホ外人レポーターの送る、なぜそこでそんな的な冒険ものも笑えるし、
skyAでは阪神戦もやるし、F1だってノーカットで見られるし、
飽きないですね。

あと、アニマックスも見ます(笑)。
最近のアニメは訳わからんので、
ルパンとかハーロックとか巨人の星とか999とか。
なじみがあって、懐かしくて、わかりやすくて、ちょっと強引な、
あのストーリー展開と手作り感あふれる画が好きです。
ルパンとかってほんっと強引だよな~。
つっこみながら見るのが楽しいんだよね。
でも無駄がなくてテンポはいいし、見てて疲れない。
どうしてああいうアニメ作れなくなっちゃったんだろね。

昨日見た999なんて最高。
「卑怯者の長老」っていう回なんだけど。
究極の独裁者の悲哀を描いた作品でね。
ある時999が原因不明の重力波に巻き込まれて、
独裁者の星に不時着を余儀なくされる。
メーテルと鉄郎が降り立った星には、
きれいな町並みはあっても人影一つ見あたらない。
独裁者の宮殿に呼ばれた二人は、
そこで「デルムカデ大統領」(だったと思う)に会う。
大統領は鉄郎の若い肉体がほしいと要求し、
望みを聞かなければ殺す、と迫る。
そこへ大統領の息子登場。
息子によれば、この大統領は自分に逆らうこの星の住民を、
全員処刑した!
と糾弾する。

・・・・っておい。
星の住民全員処刑するって、簡単に言うけどなあ(笑)。
普通誰かどっかで抵抗運動起こすだろ。
少なくとも、最後の数万人は大統領自ら手を下さないと無理だ。

で、息子は父親の暴虐に耐えかねて星を脱出したのだとか。
このタイミングで帰還するご都合主義はおいといて。
これ以上の殺戮は許さんと、鉄郎の釈放を迫る息子。
そこへ銀河鉄道の「無軌道強行突破武装列車」(とかなんとか)がやってくる。
圧倒的な戦力を持ったこの列車は、
10分以内に人質を解放しなければ、
無条件に攻撃を開始し、惑星ごと破壊するという。

・・・銀河鉄道ってすげえな。
乗客の解放を要求しながら、
従わなければ乗客ごと消し去るというこの実行力。

動揺した父親に、息子は自分の宇宙艇で脱出しようと提案する。
大統領はさすが我が息子といわんばかりに提案に乗る。
しかし、息子の宇宙艇は・・・

大統領「おまえの宇宙艇は何人乗りじゃ?」
息子「2人ですが…無理をすれば5人まで乗れます


クルマ感覚でムチャ言っちゃいかんよ君。

鉄郎、メーテル、車掌を牢に閉じこめ、
親子だけの脱出を要求する父親。
そりゃまあ、当然だわな。
その姿を見た息子は父親に「宇宙一の卑怯者!」と罵る。
激昂した父親は息子を銃で撃つ。
息子の口から漏れる言葉。

息子「これで解ったよ…母さんを殺したのも父さんだな…」
大統領「ふははは!おまえの母さんはワシに逆らったのじゃあ~!」

究極のDVだなこりゃ。
鉄郎はメーテルの機転で牢を脱し、大統領を制して宇宙艇へ。
かろうじて脱出に成功するも、大統領と息子は星に置き去り。
やがて警備列車の猛攻が始まり、
崩れ去る宮殿の中で断末魔の叫びを上げる父親。
そんな父親に息子は
「父さん…父さんと二人きりで過ごすのは初めてだね…」
と涙を浮かべながら笑う。
そんな二人をやがて爆風が包み、宮殿のがれきが埋め尽くす。

シュールだ。

大爆発し、四散霧消する星を眺めながら、
鉄郎とメーテルは感想を述べる。
鉄郎「メーテル…父親は宇宙一の卑怯者だったけど、息子は宇宙一勇敢だったね」(とかなんとか)
ナレーション「デルムカデ大統領は宇宙一の卑怯者だったと、宇宙の歴史には記されている…」

いや、卑怯者も宇宙一まで極めれば相当なもんだと思うぞ俺。

宇宙の歴史も誰がどうやって編集して、
どんな形態で保存されてるのか、
そもそもそんなもん誰が読破するのか、
ヒッジョーに気になるところです。

この、松本零士ならではの思いつき設定の数々。たまんない。

かように、昔の作品には見所いっぱいなわけです。
さ、今夜もつっこみアワーをテレビの前で過ごすとしよう。
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