きのう午前中に空腸盲腸吻合を受けた馬は、術前に13リットルの胃液を捨て、術中に30リットルの小腸内容を捨てたので、術後の脱水が予想された。
それで輸液スピードを上げていた。
夜8時に「伏臥して呼吸が苦しそう」とのことで診察。
それまでの術後8時間で20リットルの輸液を行った。
さらに次の20リットルを用意して付け替えた。
疝痛はないが、消炎効果、抗エンドトキシン効果を期待してフルニキシン・メグルミンも投与した。
しかし、口粘膜は紅潮で斑(まだら)。良い状態ではない。
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午前2時半に「発汗し、苦しそう」とのことで呼ばれた。
心拍は104、口粘膜は赤灰色で、「これは厳しいな」と思った。
痛がっているというよりは苦しい感じ。
メデトミジンとベトルファノールを投与して鎮静した。
胃カテーテルを入れるが、ガスも液も回収できない。
術後40リットルの輸液を入れ終え、次の20リットルバッグを吊る。
ショック状態なので、循環血液量を増やす目的で高張食塩液1リットルを急速投与した。
投与中に馬は苦しがった。
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朝5時、馬はぐるぐる歩き回って輸液チューブが捻れて輸液が止まった。
解こうとしている間に様子がおかしくなり、危ないので馬から離れるように指示した。
馬はそのまま倒れて、しばらくもがいて死んだ。
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剖検では胃破裂が確認された。胃にはまだ固形物が残っていた。
小腸は全体に色調がひどく悪かった。
術後イレウスから胃破裂したのだろうが、いつ胃破裂したかはわからない。
もっと輸液していれば、とか、
もっと早くに胃カテーテルをいれれば、とかも思うが、あの小腸の様子では厳しかっただろう。
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朝、6時過ぎに疝痛馬の診療依頼。
あわただしく受け入れ準備しておいて、朝食を食べに帰る。
7時過ぎに馬が来たが、まだ痛い。
PCV44%、乳酸値1.8mmol/l。
朝4時には疝痛だったというので、もう3時間以上経っている。
開腹手術する。
小腸の一部が腹腔奥に入り込んでいた。
もみほぐし引き抜いた。
その上位の小腸はひどく膨満していた。
切開して内容を20リットル近く捨てた。
成馬の小腸閉塞は一人では扱えない、ときのう書いたが・・・・ひとりでやる。
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閉腹のときに、ウニュウニュと出てきて邪魔になる腸管を押さえておくのに使う。
ある程度閉腹したら、ワイヤーを引張って抜く。
正式名称はviscera retainer (臓器保持器)だが、通称fish。
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さあ、これで年内の手術はfinishとしようじゃないか!
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無影灯をきれいに拭く。
今年の血しぶき、今年のうちに ♪♪