馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

腕節の腫瘤

2014-07-26 | その他外科

P72464562歳の腕節の外側にコブができて徐々に大きくなったとのこと。

痛みも、熱感も、跛行もないが、これ以上大きくなるとやっかいなので取って欲しいとの依頼。

部位からして総指伸腱よりは外側のようだ。

外側指伸腱には関係しているかもしれない。

超音波検査では、実質感がある塊で、周囲にはわずかに液がある。

X線撮影では、骨膜反応もなし。

何だ?

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触ってみて、これならイケルなと思った。

皮膚にはくっついていなくて可動性がある。

塊は、下の組織ともくっついていなさそうだ。

総指伸腱も、外側伸腱も、近位と遠位で異常ないことが確認できた。

橈骨手根関節にも異常はない。

P7246458で、吸入麻酔下右横臥で、皮膚切開し、

周辺組織から鈍性に剥がしながら摘出した。

なんとなく鞘状組織に包まれていてわずかに液が溜まっていた。

裏側も骨にも関節にもつながっていなかった。

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P7246460なぜこんなものができて徐々に大きくなってしまうのかわからない。

両性の腫瘍だという表現もどうも違うような気がする。

病理組織検査に出すことにしたが、

さて、どんな結果が返ってきますことやら。

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P7266474サクラマス、

私が3枚におろしました。

いや、包丁がメスほどきれなかったもので・・・・

手術も料理も、

熟練と、道具がだいじ。

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札幌競馬場、行ってみたいね~

スーパームーン、おめでとう!!


重輓馬のTieback

2014-07-26 | 呼吸器外科

きのうは、午前中、日本装蹄師会の教育生16名が見学研修。

18歳から32歳だそうだ。

1年間とは言え、その密度の濃い教育期間をうらやましく思う。

獣医学教育は6年間だが、とてもその密度はないだろう。

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P7256471
午後は重輓馬の喉頭形成術 Tieback 。

手術台には載らないので、倒馬室で手術した。

5m×5mで設計した倒馬室が狭く感じる。

軽種馬とは別な動物だと思っていたほうが良いかもしれない。

大きさは倍ちがう。

手術もかなりやりにくい。

皮膚は分厚いし、

脂肪は多いし、

大きい分、手術部位も深くて遠いし、

軟骨の形状や厚さや硬さも軽種馬とは違う。

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なにせ重いので、圧迫による筋障害にも気をつけなければならない。

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P7256469とうちゃん、おつかれ~

オラがナメテやるよ