馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

新生子馬の橈側手根骨盤状骨折

2014-07-23 | 整形外科

Foalrcbslabfx_2 11日齢の子馬。Photo

負重は可能だが、肢を前に出せないとのことでx線検査を受け、

橈側手根骨に盤状骨折が見つかった。

手術は難しいので、競走馬としての予後は難しい。との牧場顧問獣医師の見解だったそうだ。

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子馬が腕節構成骨を骨折するのはとても珍しい。

競走馬とは骨の質や、運動の性格や、荷重の大きさがまったく異なるからだろう。

で、

例によってペンシルヴァニア大学New Bolton Center のRichardson教授に相談した。

「これは珍しい。

子馬の腕節の骨折は尺側手根骨や第4手根骨が潰れることが多い。

たいていは細かく割れていて、内固定しようがない。

この症例なら4.5mm皮質骨スクリュー2本でとめる。」

という明確な回答。

さらには、

「関節内に骨片があるなら関節鏡で摘出する。

起立のときにはキャストを着けるなどして注意する。

数ヵ月後から腕節を曲げるリハビリをする。」

とのアドバイス。

で、できるだけそのとおりに手術した。

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123ヶ月あまりして再来院した子馬の具合はたいへん良好。

跛行はない。

手術台で仰臥にしたら、腕節の屈曲は完全ではなかった。

スクリュー固定手術のときには関節の背側に骨片が見えたのだが、今回は掌側に骨片が見える。

橈側手根骨の近位関節面に見えた大きな段差はなくなった。

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14掌側内側に関節鏡を挿入し、

さらにロンジャーを入れて、骨軟骨片を摘出した。

その骨軟骨片は骨折により?がれた関節軟骨と軟骨下骨だと思われた。

競走馬とちがい、過剰な非感染性関節炎(骨関節炎)も起こさず骨折も、関節軟骨も、修復されている。

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Large18関節の背側腔には関節鏡を入れる必要はないと判断した。

スクリューを抜いて手術は終わりにした。

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Thank you Dr.Richardson,

なかなかあなたの言うとおりにはできないこともあるけど、

アドバイスのおかげでまた助かりました。

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P7206441朝露に濡れて、ドロドロになっても、

乾くときれいになる。

その自浄能力、おそるべし。

何週間も風呂に入らないなんて・・・・

と思うけど、

考えたら風呂に入ったり、シャンプーされるほうが不自然。