その子馬は、生後数日で後肢球節の細菌性関節炎を起こし、関節洗浄しに連れて来られた。
そのとき、左の肋部が腫れていて、超音波で肋骨4本の骨折と周囲の血腫を確認していた。
知らないうちに2週間早く生まれていた子馬で、難産や人の牽引で折れたのではないと思われた。
親はちょっとうるさい馬のようだった。
数日後、今度は反対肢の球節と両側の飛節が腫れて、寝起きも悪くなった、とのことでまた関節洗浄に連れて来られた。
抗生物質治療を続けながら、他の関節へ感染が広がっていくようでは厳しいかもしれない、とは思った。
3日後、死んでしまった、とのことで剖検。
肋骨骨折部は血腫はカッテージチーズ様になり化膿しているようだった。
(今も病理学で”乾酪化”って習うのか?乾酪ってチーズのことだよ)
まわりは黄色く膠様浸潤が広がっていた。フレグモーネと言っていいかもしれない。
(”膠”って”にかわ”。今は死語だよね。病理の先生には新しい言葉を考え出してもらいたい)
ダメージは胸腔内にもおよんでいて、心嚢のまわりにはフィブリンが付着し、横隔膜が心嚢に癒着していた。
左の胸腔にはかなりの量の血液が溜まっていて、最終的な死因になったかもしれない。
来院したときの超音波検査では胸腔に水はほとんどなかったので、
寝起きが不自由で介助しているうちに肋骨に沿って走っている動脈が傷ついて胸腔内へ出血したのだろう。
肋骨骨折を手術して固定したことはある。
しかし、すでに感染しているようだと厳しかっただろうと思う。
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今年は疝痛や分娩事故は少ないかも・・・と思っているが、けっこう開腹手術はある。
子馬の関節炎やNICU入院もつぎつぎにある。
もう半分は生まれたかね・・・・
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ばたばたと右往左往するイメージ
入試はひところより倍率は高くなくとも偏差値は高いままのようですが、国際水準についていくためには現状維持大切なのかも知れません。
乾酪化も菌によるでしょうから、そうでないから感染ではなくとはいかないのでしょうね。
想像力に乏しく、肋骨を骨折している子馬の介助、どうすればいいのかわかりません。
本来は今ぐらいが出産時期なのですよね。
今年はまだ子馬に出会っていませんが、満開のコブシを遠景に春らしい日差しの中、青草食べる馬を眺めてきました。
お忙しい中にも、今日が良い一日となりますように。
抗生物質をしっかり投与していながら、この状態でした。肋骨の手術に踏み切るべきだったか・・・・難しいところですが、関節炎を起こした状態では厳しかったでしょう。
この辺りはコブシもまだですね。サクラの花芽はふくらんできてます。楽しみ楽しみ。