以前、マイクロチップ挿入による膿瘍形成について書いた。
皮膚を完全に滅菌するのは無理だし、無菌操作でマイクロチップを挿入してもその後に針孔から感染することも考えられる。
しかし、手間や経費の点からも現実的な望ましい挿入方法を検討しておく必要はあるだろう。
-
剃毛するのが理想だ。という意見には私は異論がある。
何度かこのブログで書いてきたが、今は外科手術でも剃毛は必要がない、あるいは害の方が大きいと考える外科医が増えている。
カミソリで毛を剃ることで皮膚に傷をつける。
傷ついた皮膚には細菌が増殖する。
増殖した細菌は、皮膚に残った針孔から感染し易い。
皮膚を消毒薬の入った洗剤で洗うことは意味があるだろう。
クロルヘキシジン(ヒビテン)系の消毒用洗剤で擦ると、汚れを落とすのと消毒を兼用できるだろう。
そして、ヒビテンアルコールを浸したガーゼかコットンで拭いてから、
できれば滅菌ガーゼでアルコールや水分をふき取った方が良いだろう。
挿入が終わったら・・・・
ノベクタンスプレー(右)をかけておくのが良いのではないか。
スプレーすると消毒薬の入った接着剤の皮膜ができて、針孔からの感染を防いでくれると思う。
-
ヨード系の消毒薬には過敏さを示す馬がいることが報告されている。
皮膚炎を起こすと、そこには細菌が増殖しやすいので、ポピドンヨードやイソジンスクラブは避けた方が良いかもしれない。
-
今日は競走馬の腕節の剥離骨折の関節鏡手術。
繁殖雌馬の声嚢のポリープの内視鏡検査。
繁殖雌馬のsarcoidの診察。
2歳馬の肩跛行(診断つかず!)。
来週3日の帯広での講義の準備をしているが・・・・・
馬の臨床に関心のない学生の興味を惹き起こす方法を教えてください(笑)。
・・・自信を持ってしゃべった内容というのは、意外に受けが悪いようで
苦労話や裏話、恥ずかしくてあまり言いたくはないけれど・・・
と言うような話はウケがいいようですよ(笑)
まぁ、私の経験からですから当てにはなりませんが
hig先生でも、昔はそうだったんだー、みたいなね(笑)
我々と同年代の方でしたが、そんなものかと思いました。
始める前に言われると、する気も無くなりますよね(ーー;)
未だに研究課題は毎年「馬」で通していますが、発表はしません(^_^;)
例えばどうも最近の歯科の麻酔は針を引き抜くまで陽圧を維持する操作を指導されているような印象を受けます。
マイクロチップを刺入する装置は対策されていたりするのでしょうか。
剃毛ですが被毛と皮膚のあつさとの兼ね合いはあると思います。
牛くらいの剛毛になってくるとバリカンの手入れは相当重要になってくると想像いたしますが、馬では苦労されませんでしょうか。
ちなみにヨード焼けして皮膚が浮腫でパンパンになる個体は牛にもいます。
馬は動物の中ではメディア的にも注目度高いと思うのですが、その獣医療は興味の対象ではないのでしょうか。謎です。
学生受けでHig先生の評価が決まるわけでもないでしょうし、実習希望は殺到しているので深く悩むこともないのではないでしょうか(笑)
あぁコヤツ面白そうというヘンなリアクションをする学生を見つけに行くというのは如何でしょう?
それが来年話すネタになるわけです。。
苦労話、裏話、失敗談、なるほど。
本当は、写真を一杯見せて、獣医学的説明を一杯したいのです。それが、一番たくさんの知識を効率よく受け取ってもらえると思うのです。しかし、それでは駄目なんですよね(笑)。
自分は馬には一生関わらない、縁がないと決めてかかっているんでしょうし、自分が直接関わらない動物の外科への興味もないんでしょうね。
麻酔外科学会の抄録が届きましたが、小動物がほとんどです。「犬か」とは思いませんけどね。
マイクロチップを入れる針はけっこう太く、チップを押し出すだけなので、引き抜くときには陰圧になっているでしょう。それが感染を誘発するのかどうかはわかりませんが。
馬でもバリカンの刃は消耗品です。
ヨード剤は何を使うかの差も大きいとは思います。いまどき劇ヨーチンを使う人はいないと思いますが、剃毛を主張する人はカミソリによる髭剃りあとにアルコールでも擦り込んでみたらどうかと思います(笑)。
卒後に臨床にも進まないし、馬にも競馬にも興味はないし、馬は国家試験にはほとんど出ないし、大学入試に出ない世界史は高校でも端折ってたし・・・ってところなんでしょうね(笑)。