午前中、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。
続いて、1歳馬の「肩」跛行の診断とX線撮影。
肩・肘異常なし、橈骨遠位関節面に軟骨下骨嚢胞。
トリアムシノロンを関節内注入する。
午後、2歳馬の喉頭内視鏡検査。
続いて、競走馬の披裂軟骨小角突起切除。
夕方、入院馬、3頭の治療。
1歳馬の中手骨骨折。安楽殺の依頼。
夜中、3日齢の新生子馬の疝痛の依頼。
午後11時19分。
変位疝でないこと、膀胱破裂していないことを超音波検査、X線撮影で確かめる。
ところが治療している暇なく、難産の連絡。
午前1時29分。
(右 ;図は獣医繁殖・産科学より)。
押し戻してだめなら、切胎もできないし、帝王切開するしかない。
というようなことが成書にも書かれている。
輸送してきて胎位が変わっていないか、枠場に入れて触ってみる。
胎仔の肩甲骨と肋骨しか触れない。
全身麻酔して、子宮施緩剤を投与して、押し戻そうとしてみるが、頭も前肢も後肢も触れそうにない。
帝王切開を決断する。
「こんな胎位になっているのは、胎仔がもう死んでいるか、奇形だからだと思いますよ」
と言いながら。
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午前2時40分に帝王切開を始めた。
なんと子馬は生きていた。
が、もちろん状態は良くないので気管吸引、人工呼吸、気管挿管、酸素吸入、etc.に人手がかかる。
帝王切開は一人でやらざるを得ないが、約1時間で終わった。
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4組6頭の入院馬に、新たに2頭加わることになるが、入院厩舎に親子入院用の広い馬房がもう空いてない。
子馬の状態も良くないので、覚醒室で酸素吸入しながら治療看護することにする。
せっかくきれいに拭いて乾かした子馬に羊膜をかぶせる。
お母さん馬が、自分の子馬をどうやって認識しているのかはわからない。
たぶん、匂い、それも尿か、羊水か、汗か、わからないし、分娩の痛みか経験か、哺乳行動か、オキシトシンか、その他のホルモンのなせる業か、わからない。
人が一番間抜けで、産院で赤ちゃんを取り違えても気づかない。などと、怒られるようなことを考えるのは、たぶん寝ていないせいだ・・・・・笑。
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重症の眼科症例の検査のあと、関節鏡手術の練習。
こういう生活を面白く、やりがいがあると思える人、募集中です。
この牝の仔馬、元気になりますよう。前の記事の、喉嚢真菌症手術をした母馬が子連れで来院、よかったなぁ、人の赤ちゃんの1ヶ月検診のよう^^と思っていました、そうなるとよいですね(祈)
春のお忙しい季節がきたのでしょうか、hig先生のご健康をお祈りします!
そろそろ来るなと覚悟はしていたのですが、大当たりでした。
子馬はとても可愛く、頼りないです。産科、小児科のたいへんさも生産地にはあります。