引き続き昨年度の診療の集計から。
ほとんどは競走馬の喉頭片麻痺に対する喉頭形成術(右)と声嚢声帯切除術だ。
その他には2歳馬のDDSPの手術(左下)が数頭。
これらの手術の手技、考え方については何度も書いてきたので、カテゴリー「呼吸器外科」をクリックして読んでいただきたい。
喉の手術が増えてきた背景には、ひとつは内視鏡検査の普及がある。生産地でも、育成牧場でも、競馬場でも、「喉鳴りする」ということになると、「内視鏡で見てみましょ」となる。
喉頭片麻痺があって競馬で勝てないとなると、自然によくなることはまずない。麻痺は徐々に進行する。
ただ、早く手術した方が良いとも言えない。麻痺する背側披裂輪状筋が残っていると手術成績が劣るとする意見もあるからだ。
喉の手術が増えてきたもう一つの要因は、競馬の競争の激しさ・厳しさが増して来たからだろう。
1歳秋から調教を進めるようになり、2歳競馬をめざしたり、トレーニングセールに出るとなるとDDSPが問題になる。
喉頭片麻痺が1歳のうちから見つかる馬もいる。
地方競馬の馬も喉鳴りしていては勝てないし、勝てないまま走っていてもしょうがない。という状況だ。
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某先生が腕を骨折したと聞いた。
セリのレポジトリーのX線撮影の最中だったとのことだ。
なんと言うことだ。心よりお見舞い申し上げます。
日本のサラブレッドも20年前に比べると大人しくはなった。
しかし、未だに海外の馬に比べると日本の馬は「うるさい」。海外でも競走能力が高い馬はだいたい気性が激しい。それでも、全般的に、未だに、日本の馬は海外の馬より「凶暴」なようだ。
海外の処置風景を写真で見たり、話を聞いたりしても、日本の馬ではできないとか、危険だと思うことがしばしばある。
昨年、このブログに、セリのレポジトリーを普及させるなら、馬の扱い、馴致から変えていかないと危ないと書いた。
悪い方に現実となって、真に、残念だ。
手術室の準備室?を外から覗かせてもらいました。連休中も診療してくださるDrがいらっしゃることで牧場としてはとても心強い存在ということでした。お怪我をされたI先生はお気の毒でした。繁忙期にnemoたち牧場側も困っているようでした。ご自分の健康管理も大切です。どうぞこれからも安心な存在でいてやってください。よろしく。
僕は昔、馬術部にいたことがありますが、
ウマの取り扱いには、確かに緊張していました。
骨折こそありませんが、8年前に腕を噛まれて勲章(?)がいまだに残っています。
某先生にもお見舞いを申し上げます。
お尋ねいただき、お土産までいただいて有難うございました。パジャマ姿で失礼しました。私は白衣で職場へ行きますので、帰ってくるとパジャマなんです(笑)。
外から覘かれたんですね。やはり、診療所へ戻って中を案内すれば良かったと後悔しています。
ぜひ、またこちらへ来られた時にはお立ち寄りください。できれば診療も見ていただいて、感想など伺えたらと思います。
噛む乗馬ですか!日本では馬は噛むもの、蹴るものだと最初に習いますが、馬の扱いが変われば、特別な馬以外は噛んだり蹴ったりはしない。というふうにできるのかもしれません。
乗馬出身の人が研修に来ると怖いんですよ。馬の横や後に平気で近づいたりしますから。
それと、私たちは牛や馬に嫌なこと、痛いことをしているんだということは忘れてはいけないのかもしれませんね。