D3 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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昨年結婚した社員から、マンションと一戸建てはどちらがいいでしょうかと尋ねられた。
どちらを購入するか迷っているらしい。

一般的には、ほとんどの人が一戸建てを薦めるだろう。
マンションは一軒家を建てるまでの仮住まい・・という考え方の人も多いはずだ。

しかし住んでみると、マンションもそう悪いものではない。
個人的には、むしろマンションの方が好きだ。
僕は、オンボロではあるが一戸建てとマンションの両方を持っているので、ある意味公正な判断ができると思うのだが、どちらを選ぶかと言われれば、断然マンションの方を選ぶ。

例えば、子供がいて木の家に住み土と接した暮らしをさせたいとか、犬を飼って散歩に連れて行きたいとか、庭を持って本格的なガーデニングをしたいとか・・そういう夢があるなら、一戸建てである必然性がある。
また土地などを含めた資産として考えても、一戸建てでないと意味がないという人もいるだろう。
しかし僕の歳になると、そういうことは大方経験済みなので、考え方が変わってくる。

マンションに住んで一番ありがたいのは、肉体に与える負担が少ないことである。
とにかく住んでいて楽なのだ。
気温が安定しているのでリラックスでき、階段もないことから日常生活で肉体的な苦痛が少ない。
室内が暖かいため暖房をつける日は数えるほどしかないし、当然光熱費も変わってくる。
最近僕の母親も、一軒家からマンションに移ったが、まず生活費の安さに驚いた。
多分住環境の変化によって体へのダメージが減り、現実に寿命が延びただろうと思う。

次に大きいのは、建物の頑丈さがもたらす安心感である。
もちろん実際に地震でも起きたなら、倒壊してしまうものもあるのだろうが、ガッシリとしたコンクリートの建物の中に住んでいるという安心感は、木造の一戸建てとはまるで違うものだ。
強い風が吹いたり、大雨で水が出たりするたびに心配し、一戸建てに住んでいた頃は、夜中に何度も様子を確かめに外に出たりした。
足元まで水面が迫ってきた時など、火事場の馬鹿力で、凄まじい勢いで荷物を2階に上げたこともある。

ところがマンションだと、外部の状況に恐怖を感じることがほとんどない。
窓の外が大嵐でも、気付かないことも多い。
風呂上りで半裸のまま、のんびりゆったりと椅子に座っていられる。

自然とのつながりが希薄になる・・そのこと自体を、人間にとって良くないという人もいるかもしれない。
それは確かに一理ある考え方だ。
しかし僕の場合、子供の頃十分に自然とは接してきたし、いまさらどうでもいい・・とも思う。

また木造の家から移ると、コンクリートの中に住むことに強い違和感を感じ、拒絶する人もいるだろう。
僕の父親なども、どうしても木造がいいと言い張っていた。
しかしそれも慣れの問題のように感じている。

ただ我家の場合、マンションに住む安心感が強いのは、比較的低い階に住んでいることも関係しているかもしれない。
以前住環境の専門家と仕事をした時に聞いたのだが、動物はそんなに高いところに住むようには出来ていないという。
木の上で生活する猿の種族も、4階の高さより上に住むものはなく、人間の場合も、データ上妊婦が流産する確率が高まるという。
まあ、それも僕には関係ないのかもしれないが・・・
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コメント
 
 
 
Unknown (隠居)
2011-02-03 07:01:36
高層マンションが都市部で沢山建てられていますが、あの高層階に住むのはどうなんだろうな?
と思うことがあります。勿論眺望抜群でこの点はとても魅力的なのですが 停電になったら生活できなくなりそうで。
まず水が使えない。高層階まで水をあげるにはポンプで揚水しなくてはならないですから。
トイレも使えないし 料理の水が無い。ミネラルウォーターを使えば?・・・とはいっても
停電でエレベーターが動かない状態で PETボトルの水を高層階まで持って上がるのは
現代の日本人にとって耐え難い苦役でしょう。
阪神大震災のときにポートアイランドで高層住宅の生活が出来なかった、という報道を読んだことがあります。
 
 
 
Unknown (COLKID@会社)
2011-02-03 08:28:39
高齢だった親戚が、最後くらいとマンションの最上階に家を借りたことがあります。
花火や富士山が見えるというので遊びに行きましたが、玄関から入ると家の奥の突き当りのベランダまでの距離が非常に短く感じられ、勢いよく飛び込むと向こう側に落ちてしまうような恐怖を覚えました。
低い階と比べると建物が薄い板のように感じられ、そこに穴をあけて住んでいるような感じ・・・
少し大きめの地震でエレベーターが止まったのですが、やはり水が大変だったようです。
エレベーターが無いので行くことも出来ず、しばらく連絡がつかず音信不通で、どうしているだろうと心配していました。
 
 
 
Unknown (やまだ)
2011-02-03 09:53:20
都市部ならコンクリート造の集合住宅、
農村地帯なら大きな木造家屋が良いと思います。
その反対を想像してみて下さい。(笑
何事も効率を無視するわけにはいきません。
だから、少ない家族に流行の大きな吹き抜けのリビングで
薪ストーブなど、とても暮らし難いようです。
この一年間を振り返ってみると大きな気象の変化の前兆のように思えます。
冷暖房効率とか断熱性能が今よりもっと重要になるでしょう。
 
 
 
Unknown (COLKID@会社)
2011-02-03 10:09:32
僕も都市部ならマンション、郊外なら木造一戸建てかな・・と思います。
今住んでいるマンションの足元には、一戸建て住宅がビッシリと隙間なく広がっていますが、隣と極端に近接していて、窓を開けると隣家の壁が目の前に見える状態です。
問題は災害時の火災などで、あれでは逃げようが無いのではないかと心配しています。
以前国が環七などに面した建物を鉄筋の高層住宅にしようと計画を進めていましたが、それはそこで壁にして火災を止めるためだそうです。

これから異常気象が進むなら、さらに真剣に住宅について考えていかないとだめでしょうね。
免震構造やオール電化は急速に進んでいますが、さらなる工夫が必要です。
 
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