天井の地震計


LEICA X1

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年中地震が発生するために、誰もが「揺れ」に敏感になっている。
椅子に座っていると、普段からゴゴゴ・・と地面が揺れているのがわかる。
地下のどこかで、ゆっくりと地滑りのような現象が起きているのかもしれない。

実は以前より、地震活動が活発化するたびに、この現象はよく起きていた。
今はみなが関心を持っているため、感知するようになっただけだ。

しかし現在のように年中地震が発生する状況だと、本当に揺れているのか、気のせいなのかわからなくなる。
めまいを起こしているだけのこともあり、判別がつかなくなるのだ。

地震が発生した時は、本能的に上を見上げる。
部屋の中に、実際に揺れているものがないか探すのだ。
会社の事務所には、長いコードの先に吊るされた照明がひとつあり、それが地震センサーの役目を果たしてくれている。
地震?・・と思うと、みなが一斉にその照明の方を見る。

僕の部屋の場合、ご存知の通り天井からプラモデルが吊るされている。
何年も前に作った。メッサーシュミットBf109Eの1/24の大型モデルで、全長が40センチ近くある。
3本の釣糸で吊るされており、それぞれの糸が右翼、カウル、尾翼に取り付けられている。

それが微細な揺れを感知して、実に敏感に反応してくれるのだ。
天井に直接穴を開けるのが嫌だったので、壁の棚から天井に沿って一枚の板を出して、そこに吊るしているのだが、そんな不安定な吊るし方が良かったのか、振動に対して非常にデリケートである。

感じるか感じないかくらいの僅かな揺れに、はっとなってBf109の方を見ると、それが本当の地震である場合は必ずゆらゆらと動いている。
いわゆる震度0でも、きちんと反応してくれると思う。
揺れの周波数も描き分けて、細かい揺れやゆったりとした揺れなど、見ただけでわかるような動きをする。

3月11日の本震の時は、今度こそ落下してしまったろうと思ったが、夜中に帰宅してみると何とか無事であった。
3本のうち2本の糸が外れて、尾翼から出た1本だけで、真下を向いてぶるさがっていた。
よくぞまあ、あの揺れの中、生き残ったものである。
恐らく地震の最中は、踊るように飛び跳ねて、滅茶苦茶なことになっていたのだろう。

何年も吊るしてあるので、表面は埃だらけになっている。
地震のたびに目をやるせいか、最近妙に親しみを感じるようになった。
いつまでこいつがもってくれるかな・・と思いながら見上げている。

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