6インチ・ブーツ


D800E + AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G

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安藤製靴のOR5。
メイド・イン・ジャパンの6インチ・ブーツである。
本格的な登山靴と同等の仕様の堅牢な街履き用シューズ。
アッパーの材質はクロムエクセル、ソールにはビブラムが使われている。
同社製品のコストパフォーマンスは抜群に高い。



実は最近ブーツに興味を持っている。
足首まで固定するのは未だに違和感があるのだが、履いているうちにかなり慣れてきた。
もともとラフな格好で過ごすのが好きなので、かしこまらないで履けるこういう靴のほうが合っている。

ブーツの本を買って勉強し、専門店を回り、いろいろな製品を手にとってみた。
ブーツというものは、メジャーなブランドの製品でも、大きさの割りに紳士靴より割安感がある。
その分、品質的には少し大味な感じはするが、もともとワーカー用の靴であるし、そういうものなのだろう。
かといって山奥に履いていけるほど堅牢な作りのものは少なく、あくまでタウンユースを前提とした、若者向けのファッションアイテム・・という側面もあるようだ。

ところが安藤製靴の靴は、作りが本格的で感心した。
実は先にメジャーなブランドの製品を試着していて、そちらの購入を考えていた。
その後、安藤製靴のお店に立ち寄り、じっくり見せてもらうと、こちらの方がひとクラス上の作りに思える。
知名度は低いかもしれないが、知る人ぞ知るメーカーであり、かえって通好みでカッコいい。
さらには日本人を意識した幅広の木型が、海外製のブーツより足にしっくりくるのだから、これを選ばない手は無い。

お店の営業時間がごく限られているため、試着をしながら購入できる環境がほとんど無いのが欠点ではある。
もっとも手広くやって大量に売れてしまっても、対応しきれないのだとしたら、かえって希少性が高まりいいのかもしれない。
錦糸町にあるお店は週3日しか営業せず、それも午後3時から6時までの3時間しか開いていない。
店頭に立つ社長さんが、遊んでいるわけではなくて、それ以外の時間は私も靴を作っているんです・・と笑いながら言われていた。
会話の中で、いろいろ貴重な情報を教えていただき、それだけでこのお店に行く価値が十分にある。

同社のORのシリーズか、同じ木型の短靴であるノーマンから選ぼうと思ったが、モカシンタイプのOR5がなかなかカッコよかったので、それのブラックにした。
ちょうど黒一色のブーツを持っていなかったのだ。

幅はかなり広めに作られており、通常の靴の2Eか3Eくらいはありそうだ。
25.5と25.0を試着させてもらうと、25.5は少し余裕あり、25.0は隙間無くピッタリであった。
最近はタイトなフィッティングの靴を買うよう心掛けているが、ブーツの場合、主に冬に履くので、厚めの靴下と組み合わせることが多いだろうと思い、25.5の方を選んだ。

しなやかで伸びる傾向のある革なので、タイトな方でも問題ないはずだが、実は25.5を選んだのにはもうひとつ理由がある。
二つのサイズの靴を並べてみると、25.5の方が大きくて、カッコよく見えたのだ。
外観で靴のサイズを決めるのは初めてである(笑)

細部まで手を抜いた感じの無い靴だ。
キッチリと作られており、物量投入型でずっしりと重い。
本格的な登山靴に近い仕様なので、一般的なタウン用のブーツとは作りが違う。
日本製なので縫製も丁寧でしっかりしている。
それでいて、価格的には海外製の半額くらいか。

荒療治で、いきなり履いて長い距離を歩いてみた。
厚めの靴下を履いたところ、25.5でも余裕は少なめで、こちらを選んで正解だったようだ。
非常に履き易く、ストレスの少ない靴である。

靴の形状が足に合っているのは確かだが、それでも長距離を歩くと、足に当る部分が数箇所出てくる。
そのまま無視して歩き続けると、靴が変形するのか、問題が次第に消えていくのは、クロムエクセルの長所なのかもしれない。

なお、クロムエクセルにはオイルはやらないで欲しいと、お店でアドバイスを受けた。
オイルと相性が良すぎるために、革に浸透しすぎて、ヘロヘロになってしまうのだという。
確かに僕のオールデンは、すでにその傾向が出ている。

手入れはこれだけでいいですと、kiwiのワックスを付けてくれた。
最初の一足目のお客さんには、サービスしてくれるらしい。

クロムエクセルにも種類があるのだそうで、安藤靴店が使っているのは、アニリン・クロムエクセルというものだ。
本体にホーウィン社のタグも付いていて、そこにも乾拭きとワックスのみで手入れして欲しいと書かれている。
最初からオイルがたっぷり染み込ませてある革なので、これ以上オイルを与えると、芯が無くなってしまうようだ。
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