COLKIDが日々の出来事を気軽に書き込む小さな日記です。
COLKID プチ日記
予想外
2017年11月28日 / 靴
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/31/acd5f84db4cececb2175992a48202985.jpg)
D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM
大きな画像
染め直した990を履き、たまたま立ち寄った銀座のデパートで、有名な靴磨きの職人さんが出店していた。
これはチャンスだと思い、早速磨いていただくことにした。
(下の写真は磨いた直後に外に出て自然光で撮ったもの)
その結果、意外なことがわかった。
まず染め直した990をじっと見て、はてこれは??・・という事になった。
磨くに当たり、色落ちなどしたら困るので、先にバーガンディを染め直したものであることを告げた。
「ウィスキーコードバンの使い込んだものかと思いました」
という感想であった。
どこで染め直しが出来るのか聞かれ、千駄ヶ谷のお店を教えた。
仕上げの希望を聞かれたので、このブラウンの色味をを変えずに光沢を加えて欲しいとお願いした。
何色のクリームを使うか考えた結果、明るめのブラウンのクリーム2種類で調整することになったようだ。
No.8のコードバンとは違う選択のはずである。
磨きの作業をじっと観察していたが、染め直した染料が落ちるということはなさそうだ。
クリーナーで拭いた時にも、指に巻いた布に色が付いた様子はなかった。
(前の日に自宅でコロニル1909の無色で磨いた時には、ネルに黄色の染料が少し付いた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/d9/48daf10ff174e0e3dfe109d0e29ca101.jpg)
磨きの作業の最中、非常に興味深い話になった。
このコードバンは、まれに見るほど品質が高いという。
「コードバンの靴は毎日のように磨きますが、これほどのものはついぞ見たことが無いですね」
と言われた。
こちらは手持ちの中から出来が悪いものを選んで染め直したつもりだったので、その言葉に戸惑ってしまった。
具体的にどのようなところがいいのか尋ねてみた。
「まず表面が滑らかです。最近のオールデンのコードバンは必ずでこぼこがあるのに」
そう言いながら、手を靴の裏側に回し踵の方も磨いてみる。
「ああ、全体がツルツルですね。本当に素晴らしい革ですよ」
確かにオールデンのコードバンはいくつか持っているが、どれも表面に凸凹がある。
さらに詳しく聞くと、いい革というのは「重い」のだそうだ。
つまり革の表面に抵抗感があり、布を動かすと重みを感じる。
このコードバンには、まさにその感触があるという。
磨けば磨くほど良さを実感するようで
「いやあ、見事な革です。羨ましいくらいですよ」
と最上級の誉め言葉。
大量のコードバンに接してきたベテランの言葉だから真実味がある。
もう長く履いているのですか、と聞かれた。
「ええと・・去年買ったばかりです・・・」
「・・・」
てっきり革の品質がいいとされる昔のコードバンだと思われたようだ。
一瞬えっという顔になった。
僕の方も、最近作られたコードバンでも質のいいものもあるのか・・と考え込んでしまった。
「もしかしたら、染め直す時に一度染料を落とすので、それで一皮むけて良くなったということはないですかね」
「いや、それは関係ないでしょう。これは革そのものが本当にいいですよ」
やはり、たまたまいい革の靴に巡り合った、ということだろうか。
念のためもう片方の靴の表面も確かめるように磨く。
コードバンは面積が小さいので、製造できる足数には限りがあり、左右で質感が異なる場合もある。
「ああ、間違いなく両方ともいい革ですよ。冗談でなく本当にいいものです」
と感心していた。
「このコードバンは「当たり」ですよ。大切に履いてください」
そう言われてお店を後にした。
予想だにしない結果に戸惑いながらも、ちょっと嬉しい気分になりながら帰宅した。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
« 仕上がり | メール魔 » |
長く当ブログを拝見させていただいています。
私も、時計や靴などの趣味をやっていますもので。
遅くなり恐縮ですが、10年連続投稿記録達成、おめでとうございます。
前人未踏・・・と言いますか、中々出来ることではないですね~。
さて私、以前大分前にローファー(タッセルローファーだったか?)の事で1度だけ「通りすがり」でコメントさせていただきました。
このAldenの990ですが、素晴らしいコードバンの光沢ですね。
靴好き、Alden好きの面目躍如という感じです。
私には、ウイスキーというよりは、シガーに見えます。
いずれもレア中のレアですね。
Aldenの愛好者のオフ会にでも履いていったら、みんなレアだと信じてしまいそうですよ。
もし可能でしたら、私もこれを染めた靴屋を知りたいものです。
以前は英国靴に嵌まり、Crockett&Jonesを中心に買っていましたが、ここ最近はAldenのコードバン一択になっています。
国内には定番しかないので、主に米国のショップから通販しています。
ということで、今後とも記事を楽しみにしています。
靴好き、時計好きとして、よろしくお願いします。
書き込みありがとうございます。
またいつも読んでくださりありがとうございます。
お店は千駄ヶ谷(北参道の駅の方が近いです)にあるSuper8shoesというアメリカ靴中心のお店です。
もしお近くでしたら一度いらしてみてください。
またウェブサイトもあります。
色の塗り替えやカスタムなどもいろいろ対応してくれますし、50年代、60年代といった靴が最良の品質を誇っていた時代のものがゴロゴロしています。
コードバンのレアカラーはちょっと高騰し過ぎのようにも思いますが、1万数千円でこの通り染め替え出来ますので、遊びには程良いかもしれません(笑)
これから他のコードバンの靴もお願いしようかと考えています。
今後ともよろしくお願いします。
どうも、ご教示いただきありがとうございます。
Super8shoesでしたか!
ここはデッドストックの米国靴があるので、たまに見ています。
パンストにピンヒールのオネーチャンがスゴイですね。
修理や染め付けなどもやっているのですね。
ウェブサイトでデッドストックばかりに目を奪われ、気がつきませんでした(決してパンストのオネーチャンに目を奪われているわけではありません(爆))。
ということで情報ありがとうございました。
一度行ってみようかなと思います。
エッジをアンティーク仕様にしたいと思っていますので、ここならやってくれるかもしれませんね。
COLKIDさんのシガー風というかウイスキー風990も、アンティークエッジングが似合いそうですね。
ではでは。
さすがのSuper8も米国内のデッドストックが枯渇してきたようで、なかなかいいものが見付からないようです。
実はオーナーがアメリカに遠征すると、荷物の到着する頃を狙って常連が顔を出すので、本当にいいものはネットに出る前に売れてしまうことが多いです。
またネットに載せる作業もそれなりに手間なので、まだ載っていないものも店頭にあります。
ですから一度お店に行かれることをお勧めします。
販売だけでなく修理作業もやっていますし、靴以外にも他では見られない1点ものがいろいろあります。
あのオネーチャンは多分いないと思いますが・・・(笑)