COLKIDが日々の出来事を気軽に書き込む小さな日記です。
COLKID プチ日記
懐中時計
Z9 + NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
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棚の奥にあった小箱の蓋を開けてみたら、父親の持っていた小物類が出てきた。
その中に、祖父の懐中時計が入っていた。
父が祖父から受け継いだものだ。
父の生前、何度か見せてもらった事があり、そう言えばあの時計、どこにいったかな・・と思っていた。
一体、何時頃のものであろう。
文字盤にSEIKOSHA(精工舎)のプレシジョンと書かれている。
ネットで調べてみると、1929年(昭和4年)に発売された通称「19セイコー」と呼ばれる時計で、同年鉄道時計として採用され、1971年(昭和46年)まで製造されていた。
正確さが必要とされる鉄道時計は、それまでウォルサムなどの海外製が使われていたが、国産で負けないものを作る、という意気込みで開発されたものだという。
この個体には、後に装備される秒針規制装置は無く、社名もSEIKOSHA(後にSEIKOに変更)のままなので、それなりに古いものであるのは確かだ。
そもそも祖父が1949年(昭和24年)に亡くなっているので、それ以前に購入したものであることは間違いない。
ご覧のように文字盤の痛みは激しく、それなりの年数使い込んでいるはずだ。
恐らく戦前に購入したものであろう。
残念なことに父親がもういないので、祖父が何時頃購入したものであるかは分からない。
こんな事なら、事情をよく知っていたはずの父親に、詳しく聞いておくのであった。
母親によれば、祖父の一家が北海道にいた頃は、こういうものを買える生活ではなかったはずだという。
記憶力の良かった叔母から、子供の頃にこの時計を見た話を聞いたことがあるそうで、そこから判断して昭和10年頃に購入したのではないかという。
ネット上を見ると、19セイコーは沢山出回っており、新品のように綺麗なものでも二束三文で売られている。
したがってこれだけ状態の悪い個体には、ほぼ価値は無いであろう。(ただし今でもぜんまいを巻くとちゃんと動くが・・・)
しかし僕にとっては、写真でしか見たことの無い祖父が、唯一遺してくれたものでもある。
祖父には多くの逸話が残されており、この時計は、我が家の伝説を蘇らせる貴重なアイテムでもあるのだ。
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