日本人?


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昨年の事、久しぶりに海外からエンジニアが来た。
数年前に導入した米国製の大型機械のメーカーの人だ。
日本に行く予定があるので、ついでにマシンの調子を見に立ち寄ってくれたのだ。
国内の大手数社を周り、最後にウチの会社に来てくれた。

専門家にアドバイスをもらえるいい機会なので、その機械を担当する若手数人に準備をさせた。
あらかじめ質問事項や疑問点などをリストアップして、機会を有効に使うよう工場長が指示をした。
こちらはあまり間に入らず、彼らだけで対応する形をとった。

以前なら付きっ切りで(かなり稚拙ではあるが)通訳をしなければならなかったが、毎回それでは若手が育たない。
日本では誰もが英語教育を数年受けているわけだし、日常生活でも英語を使う機会は多い。
彼らも追い込まれれば意外に英語を話す(笑)
むしろ専門用語なら技術者同士通じ合うし、若手ならアプリなどを駆使して翻訳することも出来る。

いろいろな質問を受けて、エンジニアは的確に答えていた。
若手の中にはアプリの設計が趣味の人もいるので、思考が論理的で、恐らく質問もそれなりに的を得ていたはずだ。
さすが慣れたもので、エンジニアもすべてに自分からは手を出さず、実際の作業を彼らにやらせて、しっかり覚えられるよう促していたという。

若手のオペレーターが機械を調整している時、エンジニアがふと聞いてきたという。
「彼らはベトナム人か?」
え??・・もちろん日本人ですよ・・と、工場長が驚いて答えた。
「他の会社もいくつか行ったけれど、どこも機械を担当しているのはベトナム人だったぞ」

エーッ! とビックリした。
彼が周ってきたのは日本の比較的大手のメーカーの工場である。
その規模の会社が、生産の要でもある、これだけ大型の機械を外国人に任せてしまうなんて・・・
そんな恐ろしいことをするものであろうか。

これってかなり深刻な事態なのではないだろうか。
この規模の機械になると、ただスイッチを押せば動くというものではなく、かなりのノウハウが必要になる。
技術を習得するのに数年はかかるのだ。
そんな重要な作業を、自分たちでやらないなんて・・・

都内のコンビニに買い物に行くと、店員は大抵外国人である。
中には店長が外国人のお店もあり、外国人が外国人に教えているところもあるという。
もちろん海外の人に偏見があるわけでは無いのだが、面倒な仕事、金銭的に合わない仕事は他人にやらせればいい・・という考え方がいいとは思えない。
普通に考えて危険な事であるし、そういう国はやがては駄目になるだろう。

聞いてみると、注意するとすぐに辞めてしまったり、訴えたりする日本人よりも、よほど外国人の方がいいのだという。
彼らは数年しか働けないかもしれないが、本国に技術を持ち帰って一旗上げるつもりなので、真面目によく働く。
要するに、日本人より外国人の方が優れている、ということなのだ。

一方でテレビを見ていたら、自分の勤めている会社に危機感を覚えて、数年以内に辞めたいという若手が増えている・・というニュースが流れていた。
会社側は、ちょっとでも厳しく指導するとハラスメントにされてしまうので、若手に対しまともに教育することが出来ない。
そのためどう対応していいか分からず、誰でも出来るような簡単な仕事しか与えられないでいる。
皮肉なことに、当の若手の方がそういう状況に危機感を覚えて、こんな腑抜けな環境にいたら、自分が世界に通用しない人間になってしまう・・と感じ、辞めて他の会社に移ることを考えるのだという。

そう考えるだけで見所がある(笑)
飼い殺しをされている彼らこそ被害者なのだ。
こうなったら、ブラック企業なんかより、甘すぎて自身が成長できそうにない企業のランキングなどツィートしてはどうだろうか。
若手の方から、そうやって世の中を正していく・・くらいの行動を期待したい。
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